[メイン] 語り手 : 運命はなんと残酷なことだろうか、人は平等にできていない。
望むものが手に入る者と、そうでない者がいる。
普通を願うことは罪なのか?高望みなのか?
それを教えることができるのはきっと、ふしぎな存在だ。

ふしぎもののけTPG ゆうやけこやけ
『命の行方』

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 : 遠くを眺めれば山か森しか見えず、山の上から、池から、細い側が流れる。

[メイン] 語り手 : 近くを見れば、家の数よりも多い田んぼと畑。所々に車も通れない細い道に、剥き出しの土の道もあちこちに。

[メイン] 語り手 : 街灯の無いこの町は、子ども達の遊ぶ声、犬の声、猫の声、鳥たちの声、虫の声。

[メイン] 語り手 : 水が流れる音、風が吹く音。人よりも賑やかなものがたくさんある町。

[メイン] 語り手 : そんな町で、あなた達はゆったりと、のんびりと過ごしていた。

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 : 場面『人よりもたくさんの生き物が住む町』 場所:樫見神社 時間:昼

[メイン] 語り手 : あなた達は今、樫見神社という、願えば叶うこともあるかもしれない、という噂のある神社にいる。

[メイン] 語り手 : その正体は、変化達の拠り所。ここで、困った人達の願いを聞き、それを叶えるために頑張る変化がいるかもしれない……というのが種明かしだ。

[メイン] 語り手 : そしてこの神社には、「樫見」と呼ばれる、年長者の狐の変化が棲んでおり、変化達の相談に乗ったり、暇つぶし相手になってたりしている。

[メイン] 語り手 : あなた達と樫見の関係?それは、あなた達次第だろう。

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 樫見 : その日は、じめじめとした暑さが肌にひっつくような、夏の日。

[メイン] 樫見 : もふもふの髪が、熱気を籠らせてしまう。
汗がだらだらと止まらない、丸眼鏡ともふもふな黄色の髪の少女、樫見は。
神社の奥の縁側で、だらだらとしていた。

[メイン] 樫見 : 「むっちゃ熱い~……夏は苦手だなぁ~……」
参ってしまうと言いたげな表情で、軽装の少女は足をぱたぱたとさせており。

[メイン] 樫見 : 手団扇でぱたぱたとさせながら、真っ青な空を見上げる。
雲一つ無い、大快晴。

[メイン] 樫見 : みーんみんみん、と忙しなくセミの鳴き声が反響する。
まさしく、夏オブ夏、と言った日だ。

[メイン] 河和 シズコ : 木の日陰からとんとん、と階段を上ってくる影。

[メイン] 河和 シズコ : ひょいっと、緑側のふちに座り込み。

[メイン] 樫見 : おや、とそちらへ黄色の瞳を動かし。

[メイン] 雪平一果 : 同じように階段を上がってきます。

[メイン] 河和 シズコ : 「最近お暑いですね~、樫見さん
 こんな日は気がめいっちゃいますが……是非”百夜堂”にいらっしゃいませ!涼しいお部屋でおいしいお茶が飲めますよ?」

[メイン] 樫見 : 「これはシズコではないか~、こんな暑いのに元気だね~……」
目を細めながら。

[メイン] ペコリ犬 : 「この暑さ…やばいですね☆」
軒下に出てきて顔をのぞかせる

[メイン] 河和 シズコ : 目に入った一課、ぺコリ犬にも軽く挨拶をし、宣伝文句を謳う。

[メイン] 樫見 : 「まぁわしも、涼しい場所に行きたいのは山々だけど……
 ここで、参拝者を待つのがある種、わしの仕事のようなものだからね~……」

[メイン] 樫見 : 「そう言うシズコに、一果は店の方はどうなんだい?
 看板娘だろ~?店放っといてわしのとこ来ても
 しょうがないんじゃないか~?」
へらへらと笑いながら。

[メイン] 樫見 : 「ペコリーヌも元気だね~」

[メイン] 雪平一果 : 「こんにちは」
シズコさん、ペコリーヌさん、樫見さんにそれぞれあいさつする。

[メイン] 河和 シズコ : 彼女の言う”百夜堂”とは、茶屋喫茶の事である。
わけ合って人間のお店の手伝いをしているため、このような話を人間、変化問わず行っている。

[メイン] ペコリ犬 : 「こんにちはです☆」
二人の挨拶にそれぞれ返す

[メイン] 河和 シズコ : 樫見の言葉に、ふくれっ面になりながら。

[メイン] 樫見 : 「まぁわしは何も用意できんけど……とりあえず麦茶でいいかな~?」

[メイン] 樫見 : 3匹をそれぞれ見やりながら、どっこらしょ、とお婆さんのような
掛け声と共に立ち上がる。

[メイン] 雪平一果 : 「今は休憩の時間やから、ちょっと足を伸ばしに来ました」

[メイン] 河和 シズコ : 「それがですね~……この暑さなのか、人がまるっきりいなくって……
 仕方ないので、お友達兼お客様の皆さんに会い来たというわけです」

[メイン] ペコリ犬 : 「ご飯も欲しいです☆」
よだれをたらしながら尻尾を激しく振る
特に働いてないくせに遠慮がない

[メイン] 河和 シズコ : はぁ、この暑さには人間も変化もこたえます。

[メイン] 樫見 : 「ははぁ~、なるほどね~……
 まぁ、休憩も大事な仕事の一つのようなもんだろうしね~
 おっと、ご、ご飯かい、ペコリーヌは相変わらず食べ盛りだね~……」

[メイン] 樫見 : 「ま、いいけどね~、参拝者からある物を貰ってね~」

[メイン] 河和 シズコ : 樫見に言われていた”元気そう”という態度は、変わらないが。
それでも彼女も暑さには厳しいのか、縁側で丸くなりながら。

[メイン] 雪平一果 : 「ありがとうございます。いただきます」

[メイン] 樫見 : そう言い、神社の奥へ向かい、しばらくして帰って来る。

[メイン] 樫見 : その手には麦茶と、カットされたスイカが乗せられたおぼんが。
ちゃんと4人分用意されている。

[メイン] 河和 シズコ : 「むむっ……いいんですか、遠慮……は失礼ですね、是非……!」

[メイン] 樫見 : 「ほいほいミネラルと水分補給だよ~
 長い階段ご苦労さんだね~」

[メイン] ペコリ犬 : 「わぁ☆」
目を輝かせて振る尻尾の速さもよだれの量も増える

[メイン] 樫見 : 「ははは、よだれで水たまりができてしまうわい」

[メイン] 河和 シズコ : 「す、スイカ……!?
 いいんですか、こんな立派な物私たちが貰っても……!?」

[メイン] 樫見 : 自分の分含め、それぞれの手元に麦茶の入ったコップと、スイカを乗せた皿を差し出し。
また自身は縁側の方で足を延ばす。

[メイン] 河和 シズコ : 「あ、相変わらず食いしん坊さんですね、ぺコリーヌさん
 元気一杯なのは変わりませんね~」

[メイン] 雪平一果 : 「スカイですか。ええですね」
暑さもやけど、旬の食べ物を見ると夏を感じます。

[メイン] 樫見 : 「わし一人じゃ食い切れないからね~」
はははーと笑いながら。

[メイン] 樫見 : 「ま、夏を乗り切るにはこれっきゃないからね~
 ……はぁ、これはこれで嬉しいんだが……」
ちらりと、壊れた扇風機を見て。項垂れる。

[メイン] 樫見 : 「この時期に扇風機が壊れてしまうとはな~……
 いやー、参った参った……」

[メイン] 河和 シズコ : だらだらと涎を垂らす彼女に、あはは、と苦笑いなのは。
彼女が大食いであり、スイカ一切れで足りるか心配であったからだ。

[メイン] 樫見 : 狐の耳もまた項垂れるように、丸眼鏡も汗のせいでちょっぴりズレる。

[メイン] ペコリ犬 : 「おいしい!おいしい!」
鼻で嗅ぐこともなくがつがつとスイカを食べ始める
いつもの☆もどこへやらの勢いである

[メイン] 樫見 : おぉおぉ、いつ見ても気持ちの良い食べっぷりだなぁ~。と
のほほんとしていると。

[メイン] 語り手 : ここで、けもの判定:難易度4

[メイン] 雪平一果 : 1d0+1>=4 【けもの】判定 (1D0+1>=4) > 0[0]+1 > 1 > 失敗

[メイン] 河和 シズコ : 1d0+>= 【けもの】判定

[メイン] ペコリ犬 : 1d0+3>=4 (1D0+3>=4) > 0[0]+3 > 3 > 失敗

[メイン] 河和 シズコ : けものは1ですね
想いを3消費させて成功にします!

[メイン] ペコリ犬 : では私は1消費して成功にしますね☆

[メイン] 雪平一果 : 私も【想い】を3点消費します。

[メイン] system : [ ペコリ犬 ] 想い : 10 → 9

[メイン] system : [ 雪平一果 ] 想い : 10 → 7

[メイン] system : [ 河和 シズコ ] 想い : 10 → 7

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 : あなた達の獣の耳に、ある声が聞こえる。
それは、境内の方からだ……。

[メイン] 黒髪の女性 : 「……お願いします、神様」

[メイン] 黒髪の女性 : パンパン、と手を叩き、目を閉じながら、神社に向き合い祈る
黒髪の女性。その表情は、どこか暗く。

[メイン] 黒髪の女性 : 「……あの人との子どもが、もうずっと、できなくて……
 うぅぅ……お医者さんからも、不妊って言われまして……
 もう、どうしたらいいのか、わかりません……」

[メイン] 黒髪の女性 : 「どうか神様、私に、子どもをください……お願いします……」

[メイン] 黒髪の女性 : 悲痛な願いを、小さな声で捧げ。
そして女性は、階段を下っていった。

[メイン] 黒髪の女性 :  

[メイン] 樫見 : ─────当然、その願いは樫見の耳にも届いており。

[メイン] 樫見 : 「……いやぁ、難しい願いだねぇこれは……」

[メイン] 樫見 : むしゃむしゃとスイカを頬張りながら。

[メイン] 雪平一果 : 「そうですね」

[メイン] ペコリ犬 : 「ですねえ…」
一足も二足も速くスイカを食べ終えたペコリーヌがくつろぎながらも耳をピンとたててその声を聞いていた

[メイン] 雪平一果 : なんとかしてあげたい気持ちはあるけど、自分の力の範疇を超えてしまっている。

[メイン] 河和 シズコ : 「そう、ですね~……お子さんを持ちたいという気持ちがあったとして……
 ただ、私たちが力になれるかどうかは……」

[メイン] 河和 シズコ : しゃぷしゃぷ、とスイカを食べる。
毛に汁が付かないように、猫にしては丁寧に口の中に運んでいる。

[メイン] 樫見 : 「人間の体っていうのは、分からないものだからね~……
 それに、まぁ、その……不妊、うむ……
 そ、そういう行為をしても、子どもができないってことで~……」
……こういう話は、3人は分かるかな~?という視線を送りつつ。

[メイン] 樫見 : 「まぁ、でも……あれだねぇ、この町はお主らが知っておる通り
 土地神様がいるわけでね~」

[メイン] 雪平一果 : 聞こえない振りしてスイカを食べてます。

[メイン] 河和 シズコ : 変化は、獣が知性とほんのすこしの”ふしぎ”を起こせる存在だけ。
そのふしぎですら、人間にとっては多少不思議くらい。
それこそ奇跡なんて、起こせるはずもなく。

[メイン] 樫見 : 「この町自体にも土地神様がおって、町はわしらを"受容"している
 それがあってわしらは、今もこうして平和に、のほほんと
 暮らせているわけだね~」

[メイン] 河和 シズコ : 知ってますよ、コウノトリさんが運んでくるんです!
と、自慢げに胸を張りつつ、樫見の言葉に、首を傾げて耳を傾ける。

[メイン] 樫見 : ほいほい、それで正解だよ~。とシズコへ優しい目を向けながら。

[メイン] 雪平一果 : 「そうでしたね」
樫見の言葉にうなずく。

[メイン] ペコリ犬 : 「人間はただですら生む数が少ないらしいですね☆」

[メイン] 樫見 : 「はははー、そうだね~、その点わしらは野山でも暮らせるからねぇ」

[メイン] 樫見 : 「まぁつまり、可能性があるとしたら土地神様の受容が
 受けられていないっていうこともあるかもだし~……
 難しい願いだけど、そこらへんを調査してみてもいいかもねぇ」

[メイン] 河和 シズコ : 「そうですね、私たちを受け入れてくれる町、人がいてこそ……平和に暮らせますからね
 一果さんも、私も、人と面している変化ですから」

[メイン] 樫見 : こくりと、頷く。

[メイン] 河和 シズコ : ふぅ~む、と顎に手を当てる。

[メイン] 樫見 : そうして、よっこらせ!と縁側から降りる。

[メイン] 樫見 : 「まぁというわけで、わしはのらりくらりと……
 堅物な土地神様にご挨拶してくるよ~
 町の土地神様にゃ会ったことないから、まぁ他の土地神様に
 相談するっきゃないわけだけど~……」

[メイン] 雪平一果 : 人と面している、たしかにそうです。

[メイン] ペコリ犬 : 「叶えたらこれも直してくれますかね?」
うごかなくなったせんぷうきをぺしぺし叩く

[メイン] 樫見 : 「ははは、そうだと嬉しいね~」

[メイン] 樫見 : そのままぼとりと倒れる扇風機を見やりながら。

[メイン] 樫見 : 「3人はどうするかい?まぁこれは、わしのお仕事なだけだし
 お主らには関係のない話だからね~」

[メイン] 河和 シズコ : 「お暑いなら団扇でも持ってきて仰ぎますけどね」
倒れた扇風機を横目で見やりながら。

[メイン] 河和 シズコ : む、と樫見の方を向き。

[メイン] 河和 シズコ : 「あの人は子どもを授かるためにいっぱい努力をしたはずですから……
 頑張った分のものは貰うべきなんです!」

[メイン] 雪平一果 : シズコさんの方に茶色い瞳を向ける。

[メイン] 河和 シズコ : 「神様が見てくれないなら……百夜堂看板猫、河和シズコ!
 あの方の頑張り、叶えてみせましょう!」

[メイン] 河和 シズコ : それに、宣伝もできますからねっ!と、看板猫の演技でウィンク。

[メイン] 河和 シズコ : 他の皆さんはどうでしょう……?と、向けられた目に目を見返して。

[メイン] 雪平一果 : 「私も手伝います」

[メイン] 雪平一果 : シズコさんドジやし、1人にすると不安やから…とはいえない。

[メイン] ペコリ犬 : 「スイカの恩もありますし、いいですよ☆」
尻尾を振りながら言外に何かを要求しつつその視線に応える

[メイン] 樫見 : 「おーおー……シズコも一果もペコリーヌも優しいね~……」
ほろりと泣く……っぽい仕草をしながら。

[メイン] 樫見 : 「わしとしても心強い限りだよ、なにせ変化は……
 ほんのちょっとの、不思議な奇跡を起こせるくらいしか
 何もできないからね~……」

[メイン] 樫見 : 「だけど、こうして数が集まれば
 それだけ大きな奇跡が起こせるかもしれないからねー」

[メイン] 樫見 : 「そんじゃ、わしはー……とある土地神様のところに行くにあたって
 ちょいと町でお土産でも買ってくるさね
 お主らもそれぞれ、お出かけの準備をするよいいよ~」

[メイン] 樫見 : のんびりとした喋り口調ながら、汗ばむ頬に布をやり。
ふぅ、と息を吐き捨てながら。境内の方へ視線をやる。

[メイン] ペコリ犬 : 「おみやげ…期待してますね☆」
びしッと姿勢をただし今にもお手を繰り出さん体制になる

[メイン] 河和 シズコ : 一果の視線に、首を傾げながらも。

[メイン] 樫見 : たはは……財布がアイタタだね~……。と目を線にしながら。

[メイン] 河和 シズコ : 「あ、あんまりたかるのも良くないと思いますよ……?
 とはいえ、私たちも手持無沙汰じゃあれですから……どこかに寄った方がいいですね」

[メイン] 河和 シズコ : そう言い、丸くなっていた体をシャキンとまっすぐに伸ばしつつ。

[メイン] 雪平一果 : 「そうですね」
シズコさんの言葉にうなずきます。

[メイン] ペコリ犬 : 「そうしましょう!新たなグルメに会えるかもしれません☆」

[メイン] 河和 シズコ : 「グルメ……うぅ、そう何度も言われるとお腹が空いてきちゃいますね……
 い、いやいや……看板猫としてこの姿は……でも……」
と小さくぶつぶつ言ったあと。

[メイン] 河和 シズコ : 「と、とにかく!それならば善は急げ、です!
 暑さにばてない内に向かっちゃいましょう!」

[メイン] 河和 シズコ : いいですよね!?と二人に目を向け、そのままとてとてと階段を走り去る。

[メイン] ペコリ犬 : どこに連れて行ってくれるのか楽しみにしながらしっぽをふりふりあとをついていく

[メイン] 雪平一果 : 「ちょっとええかな?」
シズコさんを呼び止めます。

[メイン] 河和 シズコ : んっ、と反応し。
くるりと頭を向ける。

[メイン] 河和 シズコ : 「おや、何用でしょうか?
 ははぁ、さては私の百夜堂の成功の秘訣が気になったり?」

[メイン] 河和 シズコ : ふっふっふ、となぜか自慢げにしつつ。

[メイン] 雪平一果 : 「…さっき一緒に行くいうたけど、私は樫野さんのお供をしようと思います」

[メイン] 雪平一果 : 「それはまた今度聞きます」

[メイン] 雪平一果 : 「…舌の根も乾かんうちにこんなこと言い出して申し訳ないんやけど」
ばつが悪そうな表情をしながら。

[メイン] 河和 シズコ : 企業秘密なんだから教えることはできない。
結局教えないことに変わらないのだが、なぜだか肩を落としつつ。

[メイン] 河和 シズコ : 「ほぇ、樫見さんですか……いえいえ!気になった事はどんどん動いた方がいいです!そこを気にする必要なんてありませんからね!」

[メイン] 河和 シズコ : にこっと笑顔を向けてそう言い。

[メイン] 雪平一果 : 「ありがとう」

[メイン] 雪平一果 : 「そちらの方はシズコさんとペコリーヌさんに任せます」

[メイン] 雪平一果 : 「樫野さんの用事が済んだら合流します」

[メイン] 雪平一果 : 「ほな、またあとで」

[メイン] 雪平一果 : シズコさんの笑顔にうなずき、樫野さんの方へ向かいます。

[メイン] ペコリ犬 : 「あら~二人きりですね。何か気になることでもあったんでしょうか?」
そういって首をかしげる

[メイン] 河和 シズコ : ペコリ犬にこくり。

[メイン] 河和 シズコ : 「ん~~……一果さんは物静かな方ですが、しっかりと考えていらっしゃる方です!ですから、何かの理由があって向かったのでしょうね」
と、去っていく一果の背を見ながら。

[メイン] 河和 シズコ : 私たちも彼女に負けないくらい頑張りましょうか!と、ペコリ犬に笑いかけ。
そのまま、ぱぱっと階段を下る。

[メイン] 河和 シズコ : こんな暑い日には、人も獣も歩かない。
くったりと自分の家で休んでいる。

[メイン] 河和 シズコ : けれど、少し変化にとっては好都合かもしれない。
人も獣も見ぬ間に、こうして動けるのだから。

[メイン] 河和 シズコ : 奇跡は起きるかわからない。
ただ今日は、随分と青い青空が広がっていた。

[メイン] 河和 シズコ :  

[メイン] 河和 シズコ :  

[メイン] 河和 シズコ :  

[雑談] system : [ 雪平一果 ] 夢 : 0 → 90

[夢] system : [ 河和 シズコ ] 夢 : 0 → 80

[メイン] 樫見 : 場面『さてさてお土産の準備だね~』 場所:町 時間:昼

[メイン] 樫見 : コン、コン、コン。と軽やかな下駄の音。
樫見は人の姿となり、町に降りていた。

[メイン] 樫見 : 「人も獣も、結局は神頼み……っちゅー感じかね~」
独り言を呟いていると。

[メイン] 雪平一果 : タッタッタとその背後を追う音。

[メイン] 樫見 : ん?と振り返り。

[メイン] 樫見 : 「やや、一果じゃないか~……ふむふむ、これはちょうどいい」

[メイン] 雪平一果 : ぺこりとうなずくような仕草をします。

[メイン] 樫見 : 「ちょうどわし、どっかの和菓子屋に行こうと思ってたところでね~
 一果のお店、案内してもらってもいいかな~?」

[メイン] 雪平一果 : この姿だと、人前ではしゃべれませんし。

[メイン] 雪平一果 : コクリと頷き、樫見さんを連れて「緑松」へ向かいます。

[メイン] 雪平一果 : 「緑松」は私が居候している和菓子屋さんです。

[メイン] 樫見 : ひゃ~あっちぃねぇ~と呟きながら、コン、コン、コンと音を立てながら着いていく。

[メイン] 樫見 : 途中、町に住むお年寄りとすれ違い、こんにちは~と挨拶しながらも。

[メイン] 樫見 : 「ほほー……これはこれは良い店だねぇ~」

[メイン] 樫見 : どこか趣のある、年季の入った店を見上げながら。

[メイン] 樫見 : 「とりあえず、神様へのお土産っちゅーことで……草餅が欲しいんだが
 どうかなー?あるかなー?」

[メイン] 雪平一果 : 周囲に人がいないことを確認して、店の裏に駆けていく。

[メイン] 樫見 : 「ああそれと……ペコリーヌへのお土産も用意せんといかんなぁ……
 あー、一果、あとあれだ~、安い値段で、腹一杯食えそうなのも~」

[メイン] 雪平一果 : 人の姿になります。【ふしぎ】を4点消費。

[メイン] 雪平一果 : 店の裏で人の姿になり、樫見さんの元へ戻ります。

[メイン] 雪平一果 : 「草餅ならあると思います。お土産やと…この時期だと生菓子より羊羹がええと思います」

[メイン] 樫見 : 「ほほー!そりゃ助かるわい~
 それで、羊羹とな?どれどれ、見してもらおうかなー?」

[メイン] 樫見 : 店へと入り、ふわふわな黄色の髪が冷房の風で揺れながら。
ふぃ~~~、気持ちいい~~と声を零しつつ。

[メイン] 雪平一果 : 「お腹いっぱい食べられそうなものは…」
言いかけたところで、店内へ向かう樫見さんを見て

[メイン] 雪平一果 : 「あ、待ってください!」

[メイン] 樫見 : ん?と小首を傾げ。

[メイン] 雪平一果 : 「先にお店の人にただいま言うて来ます」

[メイン] 樫見 : 「ああ、ふふ、そうかい、ええよええよ~
 いってらっしゃい~」
微小を浮かべ、手を小さく一果へ振る。

[メイン] 雪平一果 : 「すぐに戻ります」
そういって裏口へ駆けていきます。

[メイン] 樫見 : 「あいよ~
 ……人の生活に溶け込んでいるねぇ~、ほーんと
 いやはや、一果は賢いし、偉い子だよ全く~」

[メイン] 樫見 : 丸眼鏡を掛け直しながら、店内に並べてある和菓子を見つめつつ。
精密に作られたそれらを見て、おぉ~、と感心している。

[メイン] 雪平一果 : ただいま。とあいさつしたあと、すぐに仕事着に着替え、樫見さんを応対します。

[メイン] 雪平一果 : 「なににしましょうか?」

[メイン] 樫見 : 「馬子にも衣裳ってやつかなー?」
ニマニマとしながら。

[メイン] 雪平一果 : 「意地悪言うなら消費期限ギリギリのもの出しましょか?」

[メイン] 樫見 : 「ひどぉーい!?冗談だよ冗談!勘弁しておくれ~!」
ひぃ~~ん。

[メイン] 雪平一果 : 「こちらも冗談です」

[メイン] 樫見 : 「食えぬ生娘めぇ……」

[メイン] 樫見 : 「こっほん……」

[メイン] 樫見 : 「えーと、それじゃあ草餅を3つと、あと羊羹と……
 ペコリーヌが腹一杯になりそうなのかなー」
……前者はともかく、後者は和菓子屋にあるのか……?と思わんこともないが……。

[メイン] 雪平一果 : 「お腹に溜まるなら、うちの和菓子よりもお団子とかの方がええかもしれません」

[メイン] 樫見 : 「なるほどのう、みたらし団子とか美味しいもんな~」
想像して、樫見も思わずじゅるりとしながらも。

[メイン] 樫見 : 「そんじゃまぁ、土地神様の土産の用意と……あとはまぁ、そうだねぇ」

[メイン] 樫見 : きょろきょろと、改めて店内を見渡しながら。

[メイン] 雪平一果 : 「みたらし団子なら美味しいお店知ってますよ」

[メイン] 樫見 : 「ふふふ、そうかいそうかい」
微笑ましそうに微笑を浮かべ。

[メイン] 樫見 : 「この町に慣れたみたいだね」

[メイン] 雪平一果 : 「みんな優しくてええ人ばかりです」

[メイン] 雪平一果 : 人も、獣も。

[メイン] 樫見 : 「ははは、そうだねぇ~、この町は、なんでも受け入れてくれる
 だからこそ、ここに住む者達も皆もまた、なんでも受け入れてくれる
 相互作用ってやつかねぇ~?」

[メイン] 樫見 : 「その心は、わしも大事にせんといかんし
 ─────一果、お主もじゃぞ~?」

[メイン] 雪平一果 : 「肝に銘じときます」

[メイン] 樫見 : 「うむ、よろしい」

[メイン] 樫見 : 「ま、わしらは、困っとる人に手を差し伸べる存在であるからこそ
 こうして町に受け入れられているという側面もあるし……
 しかし、大きな力で以って、助けを講じることができる存在でもない」

[メイン] 樫見 : 「一果、わしらは人助けの際に、何を重視したら良いか、わかるかな?」

[メイン] 樫見 : お土産の用意を待っている間に、一果に何気ない世間話をする。
他に人のお客さんがいないからこそできる話である。

[メイン] 雪平一果 : 「…その人の気持ちに寄り添うこと、でしょか」

[メイン] 樫見 : にっこりと笑い、頷く。

[メイン] 樫見 : 「根本的な解決、というよりは─────心だねぇ」
自身の胸の辺りに手を置き。

[メイン] 樫見 : 「時には、人でも変化でも対処不可能な困難に立ち尽くすこともある
 そんな、解決できないような事態であっても
 傍にいること、寄り添うこと、そうすることでその者が救われる
 ─────そんなことだって、あるんだねぇ」

[メイン] 樫見 : 「ふふふ、そうだ、良い事を思いついた
 ─────土地神様に相談し終わったらこの件
 お主達に託してみようかねぇ?」

[メイン] 雪平一果 : 手を動かしながら、樫見さんの話を聞いています。

[メイン] 樫見 : 「これも経験だよ、経験
 何事も、そういった積み重ねは大事だろ~?」

[メイン] 雪平一果 : 「それはそうですけど…」

[メイン] 樫見 : 「ははは、まぁどうしたらいいか分からなくなったら
 わしのところに来るといいさ
 その時はわしも、頑張るさね」

[メイン] 雪平一果 : 「…わかりました。自分の力ではどうしようもなくなったら、頼らせてもらいます」

[メイン] 樫見 : ほいよ~と返事をし。

[メイン] 樫見 : 「どうだい?そろそろできたかなー?」

[メイン] 雪平一果 : 「あ、はい」
樫見さんにお土産が入った紙袋を手渡します。

[メイン] 樫見 : ありがと~と受け取り、代金も支払う。
ちなみにこの代金は、樫見神社の賽銭だ。

[メイン] 樫見 : 「さ・て・と……あの偏屈な土地神様へのお土産は確保~っと」

[メイン] 雪平一果 : 偏屈…。土地神様には会ったことないけど、樫見さんがそう言うならよっぽどな方なんやろか。

[メイン] 樫見 : 「はは、不安そうな顔をしているね~
 まぁ、平気さ、変化にゃ優しい神様だよ、変化にゃね」

[メイン] 雪平一果 : 「そうなんですね」

[メイン] 樫見 : 「まぁ~……本当は他の神様に相談しておきたい気持ちもあったけど
 その神様くらいしか、わしの知っている生命の神秘に詳しい神様はおらんし」

[メイン] 樫見 : 「とりあえずわしは行ってくるよ~
 一果は?このまま店番続けるのかい?」

[メイン] 雪平一果 : 「はい」

[メイン] 雪平一果 : 「また時間ができたら2人の方へ顔を出します」

[メイン] 雪平一果 : 「それと…」
手元のメモ用紙に何やら書いて樫見さんに手渡します。

[メイン] 雪平一果 : 「さっき話したお団子屋さんの住所です」

[メイン] 樫見 : 「お、ありがたいねー、そんじゃそっちに寄ってからわしは
 ちょいと、山の方へ向かうとするよー」

[メイン] 雪平一果 : 「わかりました」

[メイン] 雪平一果 : 樫見さんに、ありがとうございました。と言った後、他のお客さんの接客に移ります。

[メイン] 雪平一果 : 神社に参拝に来た人、土地神様、シズコさんとペコリーヌさんの動向、色々と気になるけど、今は目の前の仕事を優先せな。

[メイン] 雪平一果 : 私は「緑松」の看板娘なんやから。

[メイン] 雪平一果 :  

[メイン] 雪平一果 :  

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 : 場面『獣の森』 場所:八万森 時間:午後

[メイン] 語り手 : ─────ここは、動物が、そして変化が棲む森。

[メイン] 語り手 : 八万森。古くからこの町に存在し、多くの生命を生み出している。

[メイン] 語り手 : そんな森の中に、樫見が用のある土地神がいるだとか……。

[メイン] 樫見 : お土産袋を片手に、木陰に佇む、もさもさ髪の少女、樫見。

[メイン] 樫見 : 「さすがは八万森だねぇ、霊気の多いこと
 夏にはぴったりだねぇ、涼しい涼しい」

[メイン] 河和 シズコ : がさがさ、と草むらが揺れ。

[メイン] 河和 シズコ : ぴょん、と頭を出し、そして布に包んだ体ごと現れる。

[メイン] 河和 シズコ : 「うひゃぁっ……クーラー効いてるみたいな涼しさですね……
 さっきと全然違くて風邪ひいちゃいそうです」

[メイン] 樫見 : 「ははは、ここは特別な森だからねぇ
 わしら変化が生まれたのも、全てこの森からだし~」

[メイン] 樫見 : まぁ、生まれを覚えておる変化はそうおらんのだけどね~と付け加え。

[メイン] ペコリ犬 : 「ここに家建てませんか?」
その後ろからのそのそと草をかき分けて出てくる

[メイン] 樫見 : 「今からわしが会いに行く、偏屈な土地神様が怒っちゃうからねぇ……」
たはは、と笑いながら、先程買ってきたみたらし団子をペコリーヌへ。

[メイン] 樫見 : 「ほれほれ、約束のお土産だよ
 シズコもいるかい?」

[メイン] ペコリ犬 : 「!…頂きます!」
さっそくかじりつく

[メイン] 河和 シズコ : う。……欲を言えば、ちょっぴりほしい。
あまっからいお団子……じゅるり。

[メイン] 河和 シズコ : 「……い、いえ……っ、大丈夫です」

[メイン] 樫見 : 「……くんくん、ペコリーヌから甘い匂いがするね
 シズコ、ペコリーヌってもしかしてさっきの間に
 追加で色々食べたのかい?」

[メイン] 樫見 : 鼻をすんすんと、動かしながらも。

[メイン] 河和 シズコ : ただ、貰うのははしたない。
……好意は嬉しいけど、樫見さんに迷惑かもしれないし。

[メイン] 樫見 : 「ほれほれ、遠慮する必要はないぞ~」
シズコの目の前で、てらてら輝くみたらし団子を振り振りとさせる。

[メイン] ペコリ犬 : 「…んぐっ!シズコちゃんのところでお茶菓子をたくさんもらいましたよ☆」
いけしゃあしゃあと食べながら答える

[メイン] 河和 シズコ : 「ん、実は百夜堂に寄りまして……
 樫見さんと同じく、手土産を持っていこうかと」

[メイン] 樫見 : 「ああやっぱりぃ……ペコリーヌはそんなに食べて
 よく太らないねー……?ある意味羨ましい限りだよー」

[メイン] 河和 シズコ : う、においがぁっ、いいにおい……
……う、ぅう……

[メイン] 河和 シズコ : 「遠慮がいらないというなら、一本だけ……」
と、恥ずかしげにしながらも。

[メイン] 樫見 : にこりと笑い、みたらし団子をあげる。

[メイン] 河和 シズコ : 「んっむっ、んむぅ、おいしいです……
 ……これは一果さんのお店のもの、ですかね……?」

[メイン] 河和 シズコ : 白い毛周りに、茶色いタレを付けながら。
あむっ、と一口ずつ。

[メイン] 樫見 : 「ああいや、一果にオススメされた店に行って買ってきたんだよ
 中々言いセンスしているよなぁ、わしも食べたけど美味であった」

[メイン] 樫見 : 「一果は、店の用事を終わらせた後に来ると言っておったが
 はて、どうかな?そろそろ来るかねぇ?」

[メイン] 河和 シズコ : なるほど、一果さんのセンスならこんなに美味しいものを。
納得です、とぺろり口周りを舌なめずりしながら。

[メイン] 雪平一果 : ペコリーヌさんとシズコさんがお団子を食べ終わった頃に、3人に少し遅れて顔を出します。

[メイン] 雪平一果 : 「涼しい…」

[メイン] 樫見 : 「お、噂をすればなんとやらだね~?」

[メイン] 樫見 : 手を小さく振る。

[メイン] ペコリ犬 : 「さっきぶりですね☆全員集合です☆」

[メイン] 雪平一果 : 樫見さんの振る手を見て、3人の元にトコトコと向かう。

[メイン] 樫見 : 「うむ、これで全員だ、と、いうわけで……
 土地神様との謁見としゃれこもうかねぇ?」

[メイン] 樫見 : 涼しい風に、樫見の黄色のもふもふな髪が揺られ。

[メイン] 樫見 : そうして樫見は、とある平地へ視線を向ける。

[メイン] 河和 シズコ : 笑顔で手を振り、彼女を出迎えて。

[メイン] 樫見 : 「ほれ皆の者、"へんげ"の力を使うのだ」

[メイン] 語り手 : へんげ判定:難易度8

[メイン] 河和 シズコ : 1d0+2>=8 【へんげ】判定 (1D0+2>=8) > 0[0]+2 > 2 > 失敗

[メイン] 河和 シズコ : 想い6消費します!

[メイン] 雪平一果 : 1d0+1>=8 【へんげ】判定 (1D0+1>=8) > 0[0]+1 > 1 > 失敗

[メイン] system : [ 河和 シズコ ] 夢 : 100 → 94

[メイン] 雪平一果 : 【想い】を7点消費します。

[メイン] system : [ 雪平一果 ] 想い : 7 → 0

[メイン] ペコリ犬 : 1d0+2>=8 (1D0+2>=8) > 0[0]+2 > 2 > 失敗

[メイン] ペコリ犬 : 6使います☆

[メイン] system : [ ペコリ犬 ] 想い : 9 → 3

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 : それぞれが変化に宿る、不思議な力に集中させると。

[メイン] 語り手 : 眼前の平地は、沼地と化す。

[メイン] 樫見 : 「上出来だ、ようやったぞ皆の者」
うむうむと頷く。

[メイン] 雪平一果 : 「沼…通りで涼しいわけや」

[メイン] ペコリ犬 : 「泥が毛につきそうでちょっと怖いですね☆」

[メイン] 河和 シズコ : 「んんん~~!……ぷはぁっ、さっきまで平地だったのに……
 ”へんげ”の力は、相変わらず不思議ですね」

[メイン] 河和 シズコ : 眉に力を籠め、へんげを使い。ぷはぁっと息を抜く。

[メイン] 樫見 : 「泥んこ遊びしてもええけど、ちゃんと洗い流すようにな~」
冗談めいたように笑いながらも。

[メイン] 樫見 : 「ま、霊気はここに集中しておるわけで……
 おーい、沼の土地神さんや~」

[メイン] 樫見 : 樫見が沼地へそう声を放つと─────。

[メイン] 沼の土地神 :  

[メイン] 沼の土地神 : 「─────呼んだか?変化達よ」

[メイン] 沼の土地神 :  

[メイン] 沼の土地神 : 風が吹き、瞬くその時に、4匹の前に緑の髪を編んだ女性が現れる。

[メイン] 樫見 : 「いつ見ても心臓が飛び跳ねる登場だわい
 もうちょっとこう、いい感じにならんのかねー?」

[メイン] 樫見 : 丸眼鏡の狐の変化は、へらへらと笑いながら。

[メイン] 雪平一果 : この人が土地神様…。

[メイン] 沼の土地神 : 「そりゃすまないね、善処はするよ」
土のような褐色の肌の表情は一寸も動かず。

[メイン] 沼の土地神 : そうしてちらりと、他3匹にも目をやる。

[メイン] 河和 シズコ : 突風に、吹き飛ばされないように。
何度かバランスを崩しかけるように、とんとん、とその場でダンスをする。

[メイン] ペコリ犬 : (うぅん…ちょっと怖そうですね)
願いを聞いてもらえるだろうかと不安になる

[メイン] 沼の土地神 : 「─────それで?何の用だ?」

[メイン] 沼の土地神 : 緑の瞳をそれぞれへ向ける。

[メイン] 河和 シズコ : 目をぱちり、と見開きつつ。

[メイン] 河和 シズコ : 「まぁまぁ、まずはお菓子でもどうですかね?
 折角ですしお気に召したらいいんですが……」
と土地神にぽん、と包んでいた菓子を手渡して。

[メイン] 沼の土地神 : ちらりとその菓子を見て。

[メイン] 沼の土地神 : 「ほう……それは百夜堂のだな?」

[メイン] 樫見 : へへへーと笑いながら、樫見も草餅を差し出す。

[メイン] 河和 シズコ : 「……へっ?あれ、知ってらっしゃるんですか?」

[メイン] 河和 シズコ : てっきり、沼の土地神と言うくらいだから……
沼からあまり出ないものかと。

[メイン] 沼の土地神 : 「私は、たまに"観ている"からね」

[メイン] 沼の土地神 : ─────土地神は、その地に留まることがほとんどである、が……。

[メイン] 沼の土地神 : その姿を消し、他の土地や、町の様子を見に行くこともある。
全ては、単なる気まぐれでしかないが。

[メイン] 沼の土地神 : そうして、樫見から差し出された草餅を手にし
普通に、もぐもぐと食べ始め。

[メイン] 沼の土地神 : 「美味い。変化からの送り物はいつもありがたいものよ。
 それで、3度目だ、用事とは?」

[メイン] 雪平一果 : その様子を見ながら、口におうたようで良かった。と思います。

[メイン] 河和 シズコ : 三度目かぁ、あはは~……。まあ本題からズラしちゃったけど、折角用意してくれたから食べてもらいたかったしね。

[メイン] 河和 シズコ : 口に合っているようで、少し嬉しくなりつつも。

[メイン] 樫見 : この土地神、表情変えんから怖いんよなー。と内心思う樫見。

[メイン] 河和 シズコ : 「えぇ~っと、実は人間の方が願い事をしているのを聞きまして」

[メイン] 樫見 : 「あっ……」
人間、という単語は……。

[メイン] 沼の土地神 : 褐色の顔が、ほんの少しだけ動き、眉に力が。

[メイン] 河和 シズコ : 指を頭に、とんとん、と叩きながら。

[メイン] 沼の土地神 : 「人の願いとな?」

[メイン] 河和 シズコ : 「……?」
私、なにかしちゃいました?

[メイン] 沼の土地神 : 霊気により、さらに沼地の気温が下がる。

[メイン] 河和 シズコ : 全く危機感がない様子で首を傾げつつも。
……いや、あれ、怒ってない?ピキピキって言ってるよね?

[メイン] 樫見 : 「……あ、ああいや!あれだよあれー!」

[メイン] 樫見 : 「わしらもほら、変化ってことで、一応人と一緒に暮らしてるわけでー
 ほんでーーーー、あれなんよー
 わしらの、人間生活を送る上での願い、みたいなー……」

[メイン] 樫見 : そう弁明し、シズコの体をよっこいしょ、と持ち上げ
その耳に口元当て。

[メイン] 河和 シズコ : たらり、と冷や汗を搔きつつ。樫見にひょこっと持ち上げられる。

[メイン] 樫見 : 「……この沼の土地神様は、人がちょいと嫌いなんだー……
 説明不足だったねぇー……」

[メイン] 樫見 : ぼそぼそと、小声でそう伝える。

[メイン] 河和 シズコ : 「んにゃ、そうだったんですか……
 いえ、こちらこそすみません……」

[メイン] 樫見 : 「ま、まぁでも、神秘に纏わることなら、やっぱこの人に聞いた方が
 早いわけでー……そういうわけで、色々と穏便に~……」
シズコの耳にそう伝え終え、ゆっくりとまた降ろす。

[メイン] 雪平一果 : シズコさんと樫見さんの様子を見ながら、隠しても仕方ないし、言うてしまったのなら最後まで言うた方がええんとちゃいます?なんて思いながら。

[メイン] ペコリ犬 : (何かあったのでしょうか?)
温度の低下に首をかしげる

[メイン] 河和 シズコ : 申し訳なさげに、手の中でこくりと謝りつつ。
ひょいっと手から降りて。

[メイン] 沼の土地神 : 「……続きを言ってみせよ」

[メイン] 沼の土地神 : じぃ、とシズコを見つめ。

[メイン] 河和 シズコ : いいんだろうか……?と周りを見るも。
見つめる一果の顔に、こくりと頷き。

[メイン] 雪平一果 : 「シズコさんの真摯な気持ちを伝えることが大事やと思います」

[メイン] ペコリ犬 : 「多分もうこれ以上の地雷はないと思います☆ドンマイ☆」

[メイン] 河和 シズコ : 二人の言葉に励まされたように、くすりと笑いつつ。

[メイン] 河和 シズコ : 「えっと……とある女性の方だったのですが……」
と、女性が発していた言葉をまとめ。

[メイン] 河和 シズコ : いわく、その女性は”ふにん”という状態にあり、子どもが出来ないこと。
しかし女性は子どもを望んでおり、奇跡に頼るほどに辟易している様子。

[メイン] 河和 シズコ : そして、奇跡を受けられないのなら、土地神の庇護が受け入れられていないのではないか……?
という樫見の考察の元、来たという事を伝え。

[メイン] 河和 シズコ : 「……あの方の顔は、歪んでいて苦しそうでした
 それならば、解決したいのだと思い、ここに来たのですが……」

[メイン] 河和 シズコ : と、ゆっくり、目を合わせて言葉を伝えていく。

[メイン] 沼の土地神 : 「……………悩みは分かった、しかし」

[メイン] 沼の土地神 : 「まず答えを渡そう、私も町の土地神とは会ったことはない、が……
 少なくとも、加護を受けられないがために、子宝に恵まれない
 そういったことは、あり得ないな」

[メイン] 河和 シズコ : むぅ、と眉を曲げる。

[メイン] 沼の土地神 : 「この町は、あらゆる者を受け入れる場所だ
 無から始まる者が、加護も渡されない状態にあるとは考えにくい
 そして付け加えるならば、だ……」

[メイン] 沼の土地神 : 「─────生命を司るこの私に聞くというならば、この答えを授ける
 子とは、"心"だ。生命とは、"想い"だ」

[メイン] 沼の土地神 : 「私はその人間のことなど知らんが
 体質による不妊でないとするならば、精神の問題だろう
 もし体質面の問題なら、無理だ、解決は諦めよ」

[メイン] 沼の土地神 : 「─────これで満足か?」

[メイン] 樫見 : その答えを聞き、ふむ、と頷き。

[メイン] 樫見 : 「わしの考察は外れちょったか……まぁ、そうだなぁ……
 あの女について、まだ調べとらんし……
 とりあえず、町の受容を受け入れられていないっつー可能性を
 潰せたことは、まぁ前進と言えば前進かねぇ」

[メイン] 河和 シズコ : 樫見に頷く。

[メイン] ペコリ犬 : 「後は神ならぬ私たちの努力次第ということですね☆」

[メイン] 沼の土地神 : 「─────人に寄りすぎることなかれ、変化達」

[メイン] 沼の土地神 : 「人とは、歪んだ生き物だ
 他の生命とは異なる精神体を持つ」

[メイン] 沼の土地神 : 「ゆえに、お主達変化の心を苦しめることもある」

[メイン] 沼の土地神 : 「わざわざ苦しみに行くこともあるまい、そうだろう?」

[メイン] 雪平一果 : 「…土地神様、さっきの草餅美味しかったですか?」

[メイン] 沼の土地神 : 「…………」
緑の瞳を一果へ向ける。

[メイン] 雪平一果 : 「もしそう思ってくれたのなら、嬉しいです」

[メイン] 沼の土地神 : 「………………」

[メイン] 沼の土地神 : 「……それでも信じる、か」

[メイン] 沼の土地神 : 「その固い意志があるのなら、もはや私の言葉は不要……か」
踵を返し。

[メイン] 沼の土地神 : 「─────いつでも、帰って来るといい、変化達よ」

[メイン] 沼の土地神 : 一陣の風と共に、緑の女性は瞬く間に消えた。

[メイン] 雪平一果 : 「はい。またお土産持って顔出します」

[メイン] 樫見 : 「へへ、いいねぇ一果~」

[メイン] 樫見 : 「……ま、わしも人間に寄りすぎてつらい目に遭ったことはあるけど
 その経験があるからこそ、わしもこの仕事、やめられんわけだしね~」
へらへらと笑いながら。

[メイン] 樫見 : 「一番は、後悔しないこと、だねぇ」

[メイン] 雪平一果 : 「美味しいって思う気持ちは、人も獣も、神様も一緒って、ただそう思っただけです」

[メイン] 河和 シズコ : 満足に満ちるかはわかりませんが、助かりました、と軽くお礼をして。

[メイン] 河和 シズコ : 「……はい、一果さんは……優しいんですね
 ふふ、良い思いだと思います」

[メイン] 河和 シズコ : にこっと笑いつつ。

[メイン] ペコリ犬 : 「あの方は私たちのことが心配だから人間のことが嫌いなんでしょうか…なんだか悲しいですね」

[メイン] 雪平一果 : 「ありがとうございます」
少し照れつつ、その顔を見せないようにしながらシズコさんにそう返します。

[メイン] 河和 シズコ : 「むう、後悔しないこと、ですか……
 少なくとも今の心残りは、あの方の問題です、かね……」
と、不妊の女性を頭に浮かべつつ。

[メイン] 樫見 : 「……ま、あの土地神様は、そういう人でねぇ
 分かっただろう?とーっても難儀な方なんだ」
へらへらとペコリーヌへ笑う。

[メイン] 樫見 : そうして、平地と化した場所を見やりながら。

[メイン] 樫見 : 「そうだねぇ、んで……一果にはもう言い伝えたけど
 この件は、お主達に託そうかなーって思ってるよ
 ふふ、わし無しでこの件を解決できるかなー?っちゅー
 わしからの挑戦状だよ~」

[メイン] 河和 シズコ : 「ちょ、挑戦状ですか……!?
 ……そんなに軽く扱っていいものなのでしょうか……」
と、呟きつつも。

[メイン] 河和 シズコ : まぁ……それを任せられるほど頼られてる、と思うと悪い気はしないけども。

[メイン] ペコリ犬 : 「腕がなりますね!あるのは前足ですが☆」

[メイン] 樫見 : なははは~!と笑う。

[メイン] 雪平一果 : 「どこまでできるかはわかりませんけど、やれるだけはやってみます」

[メイン] 樫見 : 「うむ、良い返事だ!
 お主達なら、きっと成し遂げることができるだろう」
満足そうに頷き。

[メイン] 樫見 : そうして丸眼鏡を掛け直し。

[メイン] 樫見 : 「それじゃ、このまま下山としゃれこもうかね~」

[メイン] 樫見 : 八万森の自然を背後に、町へと降りて行こうとしたその時。

[メイン] 語り手 : けもの判定:難易度8

[メイン] 河和 シズコ : 1d0+1>=8 【けもの】判定 (1D0+1>=8) > 0[0]+1 > 1 > 失敗

[メイン] 河和 シズコ : 夢を想いに7つ変えてそのまま消費します~

[メイン] ペコリ犬 : 1d0+3>=8 (1D0+3>=8) > 0[0]+3 > 3 > 失敗

[メイン] system : [ 河和 シズコ ] 夢 : 100 → 93

[メイン] system : [ 河和 シズコ ] 想い : 1 → -6

[メイン] ペコリ犬 : 夢25消費しますね☆

[メイン] system : [ 河和 シズコ ] 想い : -6 → 1

[メイン] 雪平一果 : 【夢】を35点消費して【想い】を7点獲得します。

[メイン] 雪平一果 : 1d0+1>=8 【けもの】判定 (1D0+1>=8) > 0[0]+1 > 1 > 失敗

[メイン] system : [ 雪平一果 ] 夢 : 110 → 75

[メイン] system : [ 雪平一果 ] 想い : 0 → 7

[メイン] system : [ 雪平一果 ] 想い : 7 → 0

[メイン] system : [ 河和 シズコ ] 夢 : 93 → 65

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 : 遠く、森の奥で声が聞こえる。

[メイン] 語り手 : 「おんぎゃああーーーーーー!!ほんぎゃああーーーーーーー!!!」

[メイン] 語り手 : 人の、赤子の声だ。

[メイン] ペコリ犬 : 「赤ん坊の声?」
ピンと耳を立ててその音の場所に近づいていく

[メイン] 語り手 : ペコリーヌがその場所に近づいていくと……。

[メイン] 赤子 : 「ほんぎゃーーーーー!ほんぎゃあーーーーーーー!!」

[メイン] 赤子 : 白髪の赤子が、大自然の中にいた。

[メイン] 河和 シズコ : 「……なぁっ!?」

[メイン] ペコリ犬 : 「これはひどいですね…親もなしに生きていけるわけないじゃないですか」
周りをまわったり、頬ずりしてあやす

[メイン] 河和 シズコ : ぱたぱたと、音とぺコリーヌの背を追いかけ見てみれば。

[メイン] 赤子 : 「ぐすぐす……!ほんぎゃーーー!あーーーーーん!!」
ペコリーヌにがっしり掴まりながらも、泣きわめいている、止まらないようだ……。

[メイン] 河和 シズコ : 「それに……人間の子なんて、こんな森に放置されてるなんてありえないんじゃ……!?
 病院というところで預かっていると聞きましたよ!?」

[メイン] 樫見 : 「うぉぉぉ……!?な、何故こんなところに……!?
 あ、ああ、そうだな……!?いかんいかん、これはいかん……!」

[メイン] 河和 シズコ : わたわたとしている間に、ぺコリーヌがあやしてくれているようで。
たどたどしいながらも、あやそうと。

[メイン] 雪平一果 : 3人のあとを追い、その場にいる赤ん坊の姿を確認して少し暗い顔になる。

[メイン] ペコリ犬 : 「あいたた…泣かなくてもですよ、だいじょうぶ」

[メイン] ペコリ犬 : だいじょうぶを使用します!

[メイン] system : [ ペコリ犬 ] ふしぎ : 10 → 4

[メイン] 語り手 : ─────ペコリーヌの介抱に、徐々に、徐々に赤子の赤くなった瞳は戻っていく。

[メイン] ペコリ犬 : 「べろべろばー☆」
長い舌を出して赤ん坊を笑わせる

[メイン] 赤子 : 「ぅぅ……あぅぅ……」

[メイン] 赤子 : ひっく、としゃっくりとあげながらも、泣き顔は収まり
そして、ペコリーヌの顔を見て……。

[メイン] 赤子 : 「………!?」
目を大きく開いて。

[メイン] 赤子 : あろうことか。

[メイン] 赤子 : 「あはははははははははーーー!!な、何だその顔ー!
 めっちゃおもしろ!!?」

[メイン] 赤子 : 普通に喋りだした。

[メイン] ペコリ犬 : 「喋れたんですね☆賢い子です!」

[メイン] 赤子 : まだ乳児にも満たないような見た目でありながら、饒舌に喋る。

[メイン] 河和 シズコ : 「……いやいやいや!?」

[メイン] 赤子 : 「へへへー!ああ!俺、喋れるぜ!
 いやぁ、さっきはどうなるかと思ったけど、めっちゃありがとう!」

[メイン] 河和 シズコ : 「人間の子どもってこんな歳で喋ることが出来るなんて聞いたことありませんよ!?」

[メイン] 雪平一果 : 「…捨て子、やないんですか?」

[メイン] 赤子 : 「気がついたらこの森の中にいるんだもんなぁ
 怖くて怖くてたまんなくなったら、俺の中にある赤子の精神が
 俺を支配しちまってよー!」

[メイン] 河和 シズコ : 目をまん丸にして、そのおかしな光景に目をぱちぱちと。

[メイン] 赤子 : 「え?いやぁ、それが覚えてないっていうか……」

[メイン] 赤子 : 「…………」

[メイン] 赤子 : 「……?」

[メイン] 赤子 : 「なんで動物が喋ってんのーーーーーーーー!!!?!?」

[メイン] ペコリ犬 : 「お互い様ですね☆」
のんきに尻尾を振る

[メイン] 樫見 : 「なんだこの状況、なんだこの状況
 わし、頭痛くなってきた」

[メイン] 雪平一果 : 「それはこっちのセリフや」

[メイン] 赤子 : 「なんだとぉ……」

[メイン] 赤子 : 「とりあえず、そっちのワンコちゃんはありがとう!
 赤子の精神に支配されずに済んだのはワンコのおかげだ!」

[メイン] 赤子 : よしよし、とペコリーヌを撫でながら。

[メイン] 赤子 : 「なんだろう、俺マジで何も覚えてないんだよね
 これってさ、いわゆるアレかな?」

[メイン] 赤子 : 「異世界転生?」

[メイン] 樫見 : 「いせかいてんせい……?」

[メイン] 河和 シズコ : い、いいのかな…?
いや私たちも話してるからと言えばいいんだけども……

[メイン] 河和 シズコ : 「いせ……かい?
 ……え、えーっと……そもそも、あなたは元々の記憶があるんですか……?」

[メイン] 赤子 : 「な
 に
 も」

[メイン] ペコリ犬 : 「本当は生まれるはずだった場所が…とかの場合は心当たりがありますね☆」
撫でられながらしゃべる

[メイン] 赤子 : 「思い出そうとすると頭痛くなるんだよなぁ……」
頭をちっちゃな手で抑えながら。

[メイン] 赤子 : 「うーーーーん……」
腕を組みながらも。

[メイン] 赤子 : 「……無い!!……ていうか、俺を産んだ親はどうなってんだ!?
 教えはどうなってんだ教えは!?倫理観どこへやった!?」

[メイン] 河和 シズコ : ゾッ!?!?!?とした悪寒を感じながらも、とりあえずは話に耳を傾ける。

[メイン] 赤子 : 「転生した先が人生ハードモードとか聞いてない!!」

[メイン] 雪平一果 : 「なんやようわからんけど、良く喋る子ですね」

[メイン] 樫見 : 「ふしぎだね」

[メイン] 赤子 : 「え?君達も結構不思議な存在じゃない?」

[メイン] 雪平一果 : 「そういわれると何も言えませんね」

[メイン] 赤子 : 「なぁなぁなぁなぁ!俺どうなっちゃうの!?ねぇワンコちゃん!」

[メイン] ペコリ犬 : 「ずばり!親を探すしかないですね☆」

[メイン] 河和 シズコ : それはそうです、と内心思いつつ。

[メイン] 赤子 : 「!」

[メイン] 樫見 : 「!!」

[メイン] 赤子 : 「!!!」

[メイン] ペコリ犬 : 「!!」

[メイン] 河和 シズコ : 「!」

[メイン] 赤子 : 「でもなぁ……俺捨てた親には会いたくないなぁ……
 普通に虐待されるんじゃないかな……?」

[メイン] ペコリ犬 : 「このままだと動物に育てられた狼少女ならぬオオカミ少年になっちゃいますね☆」

[メイン] 赤子 : 「オオカミ少年……!!……あれ?でも結構カッコよくない?」

[メイン] ペコリ犬 : 「最後食べられちゃいますよ☆」

[メイン] 赤子 : 「やだああああああああああああああああ!!!!」

[メイン] 赤子 : 「ほんぎゃああーーーーー!!!ほんぎゃあああーーーーーー!!!」

[メイン] 赤子 : 赤子の精神にまた飲み込まれてしまったようだ。

[メイン] ペコリ犬 : 「大丈夫ですよ!当てがありますから☆」
大丈夫を使用☆

[メイン] system : [ ペコリ犬 ] 夢 : 65 → 35

[メイン] 赤子 : 「─────!!」

[メイン] 赤子 : ペコリーヌの、根拠はなくとも、どこか安心感のある言葉に
ぐずった赤子の瞳に、生気が宿る。

[メイン] 赤子 : 「ぐすっ……!あ、当て……?それは、一体……?」

[メイン] ペコリ犬 : 「実はですね☆子供が欲しくてほしくてたまらないのに、どうしても授かれない女性がいるんですよ☆」

[メイン] 赤子 : 「!!!!!!!!」

[メイン] 赤子 : 「で、でもその女性、怖い人だったりしないよね……?
 家庭問題とかも、特に無いよね……?俺そういうの超気になっちゃう」

[メイン] ペコリ犬 : 「多分怖くはない…というかきっちり今から調査に行くところだから大丈夫です☆」

[メイン] 赤子 : 「なるほどぉ……」
腕を組み、少し考えてから。

[メイン] 赤子 : 「……わかった、俺を救ってくれたワンコちゃんの言うことだ
 きっと正しいんだろう!その話、乗ったァ!」

[メイン] 赤子 : ばぶーーー!と小さなおててを掲げる。

[メイン] 樫見 : 「……この件、お主らに託す言うたけど
 あれだ……この赤子の出自についてくらいは調べておくよ」

[メイン] 樫見 : ぽりぽりともふもふの頭を掻きながら。

[メイン] ペコリ犬 : 「本当に親がいたかとかいろいろ怪しいですからね」
珍しく声を潜めて

[メイン] 樫見 : こくりと頷き、そして樫見は踵を返し、八万森を後にするのであった。

[メイン] 河和 シズコ : 「……えー、こほん……
 何だか予想外の展開が挟まりましたが……
 ……予定通り、あの人の元に向かうとしましょうか」

[メイン] 河和 シズコ : 万歳の様子に、元気な赤ちゃんですね……と呟きつつ。

[メイン] 雪平一果 : 「この子はどうします?置いていくわけにもいきませんよね?」

[メイン] 赤子 : 「行くぜ行くぜ行くぜーーーー!!
 俺の里親になってくれるかもしれない人、見に行くぜー!」

[メイン] 赤子 : 「えっっっっ!?俺置いていかないでくれよぉ~~!?
 また泣くよ!?」

[メイン] ペコリ犬 : 「本人やる気満々ですね☆連れていくほかないでしょう☆」

[メイン] 河和 シズコ : 「その子は……あやすのが一番得意そうな、ぺコリーヌさんに任せても?」

[メイン] ペコリ犬 : 「お任せあれです☆」

[メイン] 河和 シズコ : む、ありがとうございます、と返しつつ。

[メイン] 雪平一果 : 「連れて行くとしたら、この姿では無理ですね」

[メイン] 赤子 : 「わーーい!」

[メイン] 河和 シズコ : 「ですね、今から会いに行く方もこの姿では不都合でしょうし……」

[メイン] 河和 シズコ : そして、そう言っていた発言者は。

[メイン] 河和 シズコ : ぽふん、と姿を変える。

[メイン] 河和 シズコ : 変化の住む森。ここは不可思議な事が多く発生する。
先ほどの赤子も同じく。

[メイン] 河和 シズコ : ただ、そんな森だからこそ。

[メイン] 河和 シズコ : 不思議な事は、大手を振って行える。

[メイン] 河和 シズコ :  

[メイン] 河和 シズコ :  

[メイン] 河和 シズコ :  

[メイン] ペコリ犬 :

[メイン] system : [ 雪平一果 ] 夢 : 75 → 275

[メイン] 河和 シズコ :

[メイン] system : [ 河和 シズコ ] 夢 : 65 → 265

[メイン] system : [ ペコリ犬 ] 夢 : 35 → 365

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 : 場面『子無き母の悩み』 場所:町 時間:夕方

[メイン] 語り手 : 日は橙色に染まり、カラスの鳴き声が遠く聞こえる町に。

[メイン] 語り手 : あなた達は、参拝者の女性を探すために、町で聞き込み調査をする必要がある。

[メイン] 語り手 : おとな判定:難易度8
※人に変身する必要アリ。

[メイン] 雪平一果 : 【ふしぎ】を4点消費して人の姿になります。

[メイン] system : [ 雪平一果 ] ふしぎ : 6 → 2

[メイン] ペコリ犬 : 【ふしぎ】を4点消費して人の姿になります☆

[メイン] 河和 シズコ : 【ふしぎ】を4点消費して人の姿に変わりますよ

[メイン] system : [ ペコリ犬 ] ふしぎ : 4 → 0

[メイン] system : [ 河和 シズコ ] ふしぎ : 10 → 6

[メイン] 河和 シズコ : 【えんぎ】の効果でおとな+2します

[メイン] 河和 シズコ : 1d0+3>=5 【おとな】判定 (1D0+3>=5) > 0[0]+3 > 3 > 失敗

[メイン] 雪平一果 : 1d0+3>=8 【おとな】判定 (1D0+3>=3) > 0[0]+3 > 3 > 成功

[メイン] 河和 シズコ : ん、いや違いますね
5に想いを3消費します

[メイン] system : [ 河和 シズコ ] 想い : 1 → 0

[メイン] system : [ 河和 シズコ ] 夢 : 265 → 255

[メイン] ペコリ犬 : 1d0+0>=8 (1D0+0>=8) > 0[0]+0 > 0 > 失敗

[メイン] ペコリ犬 : 夢40を想いにして消費します☆

[メイン] system : [ ペコリ犬 ] 夢 : 365 → 325

[メイン] 雪平一果 : 【夢】を25点消費して、不足分の【想い】を5点獲得します。

[メイン] system : [ 雪平一果 ] 夢 : 275 → 250

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 : そうしてあなた達は、町の住民達への聞き込み調査を終え。

[メイン] 語り手 : とある素朴な一軒家へ辿り着く。
曰く、ここは時野家で、都会から引っ越してきた夫婦の家のようで
夫はよく出稼ぎに出ているらしく、この町では妻である竹美の姿の方をよく見るだとか。

[メイン] 語り手 : 特に変わりない、普通の家庭であり、問題と思われるようなことは見受けられない。
普通の、仲睦まじい夫婦の家だ。

[メイン] 赤子 : 「なんか、良さそうじゃね……!?」
こそこそと、周りに聞こえないように。

[メイン] ペコリ犬 : 「これは決定ですかね…☆」
それに付き合って声を抑えて

[メイン] 赤子 : 「これで俺の新しい人生が……!俺、ワクワクしてきたぞ!」

[メイン] 赤子 : ペコリーヌに、ちっちゃな手でグッジョブサインを見せながら。

[メイン] 雪平一果 : この子を押しつけてもええんやろうか…。
家と赤ちゃんを交互に見ながらそう思います。

[メイン] 河和 シズコ : 「……そうですね、上手く事が運んでくれたらそれが一番ですが……」

[メイン] 河和 シズコ : 髪をツーサイドアップに束ねた、和洋が合体した和服版メイドのような格好をした少女。
看板娘という気持ちがへんげにも表れているのかもしれない。

[メイン] 河和 シズコ : 「ですがまぁ、とりあえずはお話ですね」

[メイン] 赤子 : 「ばぶぅー!」

[メイン] 河和 シズコ : と、インターホンをぽちり。

[メイン] 語り手 : 「はーい」
という女性の声が家の方から。

[メイン] 時野 竹美 : そして、扉が開かれるとそこには、女性が。

[メイン] 時野 竹美 : 「……?え、えーっと……どちら様、でしょうか……?」

[メイン] 時野 竹美 : 昼時に参拝に来ていた女性の声と同じ声。

[メイン] 時野 竹美 : 幸薄そうな表情の、黒髪の女性がそこに立っていた。

[メイン] 赤子 : 「ばぶばぶ(めっちゃ美人さんだね)」
おしゃぶりを動かしながら。

[メイン] 河和 シズコ : どちら様、という言葉にぴん、と耳が立ち。

[メイン] 河和 シズコ : 「はいっ、私は百夜堂の看板娘、河和 シズコと申します!
 是非ごひいきを~!………ではなく!」

[メイン] 河和 シズコ : んん、と咳払い一つ。

[メイン] 時野 竹美 : ふ、ふむふむ……?と。

[メイン] 河和 シズコ : 「……道先でこういったセンシンティブなお話をするのはどうかと思いますが……
 今日、あなたは神社にいらっしゃいませんでしたか?」

[メイン] 時野 竹美 : 「ふぇっ………!?!……も、もしかして、私の……
 き、聞いていたの、ですか……?」

[メイン] 河和 シズコ : えへへ、まぁ~、小耳に挟んでしまいまして~、と申し訳なさげに。

[メイン] 時野 竹美 : 「…………その、それに関しましては……はい……
 で、ですが、その、これは、私の問題ですので……
 えーっと……宗教は、大丈夫です……」

[メイン] 時野 竹美 : おどおどとしながら。

[メイン] 雪平一果 : 「宗教やないです」
申し遅れましたが、私は雪平一果っていいますと付け加えて。

[メイン] 河和 シズコ : こくり、と頷いて。

[メイン] 時野 竹美 : 「……え?……そ、それじゃあ、あなた達は……?」

[メイン] 河和 シズコ : 「そういうもので付け込みに来たわけではありません!」
ずいっと、一歩顔を出しつつ。

[メイン] 時野 竹美 : 「……!?」
びくん、としながら。

[メイン] 赤子 : 「ばぶっ!」
賛同の意。

[メイン] 雪平一果 : 「困ってる人をほおっておけないお節介焼きみたいなもんです」

[メイン] 時野 竹美 : 「な、なる……ほど……?」
困ったように、頬に手のひらをつけながら。

[メイン] ペコリ犬 : 「と言ってもまあ今回は私たちも困っているんですけど…」

[メイン] 時野 竹美 : 「……?困っていること、ですか……?」

[メイン] 河和 シズコ : 一瞬詰まる。変化である私たちは、人間のコミュニティに属していない。
だからこそ、こういった返しは困るんだけど……
一果さんが上手く返してくれた。

[メイン] 河和 シズコ : 「そうですね、まぁ……まず、宗教とはいかなくとも
 神様に縋りたいほど、困り果てたことがあるんですよね?」

[メイン] 時野 竹美 : 「そ、それは………えっと……その、はい……」

[メイン] 河和 シズコ : 怯えさせちゃったかな、と軽く一歩引いて。
じっと、不安を抱えさせないように見つめる。

[メイン] 河和 シズコ : 「……もしよければ、私たちに話してもらえませんか?
 急に押しかけて、とは思いますが……話して楽になるものも、あると思うんです」

[メイン] 河和 シズコ : じっと、真剣な瞳で見つめて。

[メイン] 時野 竹美 : 「…………その、ここで話すのも、なんですので……
 上がって、ください……」

[メイン] 河和 シズコ : ありがとうございますっ、と大きな声で返して。

[メイン] 雪平一果 : 「ありがとうございます。お邪魔します」

[メイン] 語り手 : そうしてあなた達は、時野家に上がることとなった。
夏の時期、子ども達を外で立たせたままにするわけにはいかないという、竹美の思いもあったのだろう。

[メイン] 語り手 : 中に入ると、外装と同じような、素朴の造りであった。
テーブルには、ストレス緩和のための錠剤が置かれてあるが
変化であるあなた達は、それを見ても何のことかさっぱり分からないだろう。

[メイン] 時野 竹美 : 「……ど、どうぞ……」
コト、と3人の手元へお茶を置き、竹美は対面の席に座る。

[メイン] 時野 竹美 : 「………私の悩みは、その……皆さんがお聞きしたように……
 子どもに、恵まれず……かれこれ、3年は経過してます……
 それでも、あの人との子どもができなくて………」

[メイン] 時野 竹美 : 苦しそうな表情で、きゅっと自身の服の裾を摘みながら。

[メイン] 河和 シズコ : ぺこ、と頭を下げ。ずずず、とお茶を飲みながら。

[メイン] 赤子 : 「ばぶ~(へ~!)」

[メイン] 雪平一果 : 「いただきます」
席に座り、お茶を一口飲みます。

[メイン] 河和 シズコ : 「……うえ、三年も、ですか……」

[メイン] ペコリ犬 : 「その…病院などは…」
何かできるらしいと情報としてはしっている

[メイン] 時野 竹美 : はい……と、こくりと頷き。

[メイン] 河和 シズコ : 人と獣の間に時間の差異はあるとはいえ、三年。
その時間の長さは押して図るべきだろう。

[メイン] 時野 竹美 : 「……通院もしてます、薬も貰っています……
 ただ、お医者さんからは……ストレスが原因、とのことで……」

[メイン] 時野 竹美 : 「……ですので私、ここに来たのです……夫の勧めもありまして」

[メイン] 時野 竹美 : 「自然に囲まれた中なら、きっとストレスも、と……
 ……そ、それでも私……子どもが、できなくて……
 それで……も、もう、どうしたら、いいのかっ………」

[メイン] 時野 竹美 : ぷるぷると震え始め、涙が零れる。

[メイン] 河和 シズコ : その顔に、眉が曲がる。
百夜堂に訪れる人間は、大なり小なり悩みを抱えたとしても、ここまで感情を露にする客はいない。

[メイン] 河和 シズコ : 笑顔とは真反対のような顔。
とても、悲しそうな瞳で、声が震えてしまっているのが、耳に響く。

[メイン] 河和 シズコ : 「うぇ、っ……
 ……お茶、美味しいですよっ!百夜堂に負けないくらい、凄い出来栄えです!看板娘が言うんだから間違いなしです!」

[メイン] 河和 シズコ : ずい、と泣き出した彼女に、お茶入りのコップを差し出しつつ。

[メイン] 時野 竹美 : 「………………」

[メイン] 時野 竹美 : シズコの慰めの言葉も耳に入らないくらいに、目に光が点さぬ表情で。

[メイン] 赤子 : 「あうあう(なんか不安になってきたぞ俺)」

[メイン] ペコリ犬 : 「(まあなるようになりますよ☆)」

[メイン] 赤子 : 「ばぶ!(ワンちゃんがそう言うならそうか!ヨロシクなァ!)」

[メイン] 河和 シズコ : 「…………」
コップを持っていた手を、そっと落として。

[メイン] 河和 シズコ : 「……あなたにとって子どもは、そんなに大事な物……なんですか?」

[メイン] 時野 竹美 : 「……………」
項垂れるように、こくりと頷く。

[メイン] 河和 シズコ : 「えっといや、その……まだ私、そういうのに疎くって……
 全然イメージないというか……」
頬をポリポリと掻いて。

[メイン] 河和 シズコ : 「…………」

[メイン] 時野 竹美 : 「………私を、救ってくれたあの人に、まだ何も恩返しできていないんです」

[メイン] 時野 竹美 : 「あの人は、こんな私のことを愛してくれるのに……
 でも、私はまだ、何も返せてなくてっ………
 あの人は、子どもがほしいねって、そう言ってるのに
 私は……何も………!」

[メイン] 河和 シズコ : 「…………。
 その事を、ご主人には……ご相談をしましたか?」

[メイン] 時野 竹美 : 首を横に振る。

[メイン] 河和 シズコ : 自らの両手をぎゅっと握り。項垂れる彼女を見つめる。

[メイン] 時野 竹美 : 「言えるわけがありませんッ……!!!!」

[メイン] 時野 竹美 : 「あの人に迷惑を、心配をかけるようなことを………!!」

[メイン] 時野 竹美 : 「だから、これは、私が解決しなくちゃいけないんです……!!」

[メイン] 河和 シズコ : 「…………っ」

[メイン] 赤子 : 「ばぶ(こわい)」

[メイン] 河和 シズコ : この人は────努力を、ずっとずっとしたんだ。
誰にも頼れない、助けられない、救いを出せない。
神様にだって縋るような中、一人でずっと、努力を続けてきた。

[メイン] 河和 シズコ : それなのに────笑顔になれない。
報われない、三年も、ずっと、ずっとそんな想いを抱えてきた。

[メイン] 河和 シズコ : 「…………」

[メイン] 河和 シズコ : 「……う゛ぅ、うう……」

[メイン] 河和 シズコ : ぽろぽろ、目から雫が生まれ、頬を伝う。

[メイン] 時野 竹美 : 「………え……?」

[メイン] 河和 シズコ : ぽた、ぽた、と机に透明な物が出来て。

[メイン] 時野 竹美 : その涙に、驚いたような顔で、シズコを見つめ。

[メイン] ペコリ犬 : 「シズコちゃん…」
心配そうに眺める

[メイン] 河和 シズコ : 「……え゛、あ゛れ……?」

[メイン] 河和 シズコ : ぺコリーヌと竹美の顔に。
ぐしぐし、と、袖で目元を拭うも、熱い想いは溢れて止まらない。

[メイン] 河和 シズコ : 「ぅ゛、うぅう゛……なんで、ですか」

[メイン] 河和 シズコ : 赤くはれぼった目で、何度も瞬きをして。

[メイン] 雪平一果 : 「あの、私にはようわからんのですけど」
シズコさんの涙を見て、とっさに口を挟む。

[メイン] 河和 シズコ : 「……おっ、おがし゛いじゃないですかっ!
 誰かのために頑張゛ってっ!それ゛なのにっ、報わ゛れなくでっ!」

[メイン] 時野 竹美 : 「………………」

[メイン] 河和 シズコ : ずぴ、と鼻息を啜りながら、一果へと目をやる。

[メイン] 雪平一果 : 「今日初めて会ったシズコさんが、あなたのことをこんなに想ってくれるなら、あなたのご主人さんはそれ以上に想うてくれてはると思います」

[メイン] 雪平一果 : 「だから、心配や迷惑をかけると思う前に、一度ちゃんと話しおうてみるべきやと思います」

[メイン] 時野 竹美 : 「……ぅ、ぅぅぅ……!……分かってます、分かってますよ……!
 あの人が、私のことを大事に思ってくれますのは……
 それでも、私はっ……」
これは、ある種の強迫観念に似たようなものであった。

[メイン] 時野 竹美 : 人が同じ場所にいて、ある者はよく働き、成果を得て
そしてまたある者もまた、同じくらいに働こうとしするも
成果を得ることができず。

[メイン] 時野 竹美 : そんな状況下で、その者に対する慰めの言葉は
逆効果となる。その者はもっと頑張ろうとする、自分を苦しめようとする。

[メイン] 時野 竹美 : 時野 竹美は、まさしくそんな状況にいた。
自分を支えてくれる夫がいる中、自分は夫を十分に支えられていないのでは?
何も成していることがないのでは?その考えが、大きくストレスを作っていた。

[メイン] 時野 竹美 : いじめられっ子が、両親にいじめられていることを相談できない心理とも似ている。

[メイン] 時野 竹美 : つまりは、迷惑を掛けたくないからだ。

[メイン] 時野 竹美 : 「あの人に、話せません………!私自身で、どうにかしたいと……
 そう、思ってるんですっ………!!!」

[メイン] 雪平一果 : 「それは間違うてます」

[メイン] 雪平一果 : 「私も周りに迷惑かけずに全部自分でやらないとって思うてました」

[メイン] 雪平一果 : 「そうしないとまた周りから誰もいなくなる。捨てられると思うて」

[メイン] 雪平一果 : 「でも、私の居候してるとこの人達は、私に気を張らずに頼って欲しいって思ってくれてました」

[メイン] 雪平一果 : 「だから、私も頼るようになって…」

[メイン] 雪平一果 : 「今では大切な居場所になってるんです」

[メイン] 時野 竹美 : 虚ろな瞳を、ゆっくりと向ける。

[メイン] 時野 竹美 : 「それは……」

[メイン] 時野 竹美 : 「─────あなたが、強いからなのです」

[メイン] 時野 竹美 : 「私は……ごめんなさい……弱いんです……」

[メイン] 時野 竹美 : 「………私は……」

[メイン] 時野 竹美 : 「─────昔、自殺しようとしたことが、あるんです」

[メイン] 時野 竹美 : 「それを止めてもらったのが、あの人で……」

[メイン] 河和 シズコ : ぐず、と鼻声になりながらも、話に耳を傾ける。

[メイン] 時野 竹美 : 「………だからもう、私は……迷惑は、掛けられないんです
 助けてもらってばかりで……あの人も、いつでも頼っていい
 そう言ってますが………それでも、私はっ……」

[メイン] 時野 竹美 : 「その言葉が、辛くて……すごく、辛くて………」

[メイン] 時野 竹美 : 服の裾を、強く握っているためか、皺が大きく広がる。

[メイン] 時野 竹美 : 「………ごめんなさい、帰ってもらっても、いい、でしょうか……」

[メイン] ペコリ犬 : 「その…最後に一つ…里親制度などを検討したことは…?」

[メイン] 時野 竹美 : ゆっくり、首を横に振る。

[メイン] 赤子 : がーん。

[メイン] 時野 竹美 : 「……あの人との、血の繋がった子ども……それが、私の願いでも、あります」

[メイン] 赤子 : がーーん。

[メイン] 赤子 : 「ばぶばぶばぶ(ちょっとワンちゃん、話と違くない?)」

[メイン] ペコリ犬 : 「(なるようになっちゃいましたねえ…問題が一つ増えました)」

[メイン] ペコリ犬 : 「これは受け売りですが…子供は心、なんて言いまして。気負い過ぎると逆に良くないかもしれません…あまり思いつめないようにしてください」

[メイン] 時野 竹美 : 「……………」

[メイン] 河和 シズコ : 「……がえりませんっ!!」

[メイン] 赤子 : 「あう(ちょっと待てよ……俺の存在意義が怪しくなってきてるけど……
 まぁでも、そうだな、ストレスは良くねぇしなぁ
 俺もストレスに潰れそうになったら泣いちゃうし)」

[メイン] 時野 竹美 : 「……っ……!」

[メイン] 河和 シズコ : ずび、と鼻息を啜ったまま。

[メイン] 河和 シズコ : 「ずっ゛と、一人で頑張っでき゛たなら……あ゛なだのご主人に、相談しなくても、いいでずっ!」

[メイン] 河和 シズコ : 「でもっ、でもっ!」

[メイン] 河和 シズコ : 「頑張っでる゛人がっ、い゛るのに、その証を゛、だれにもっ、ぎいてもらえないなんて、あんまり゛ですっ!!」

[メイン] 時野 竹美 : 「………………」

[メイン] 河和 シズコ : 声はいつも上げていた、にゃんにゃんとした猫なで声でもなく。
ただ、地声で、涙詰まりの声。

[メイン] 雪平一果 : 一人が辛いのは私も知ってる。だからシズコさんの言葉が自分にも響きます。

[メイン] 河和 シズコ : 「がみさまに言えるなら、わたじをがみざまだっておもってもいいでず!
 どんなつらい゛ごとも、だのしいごとも、ぜんぶ、ぜんぶ!
 ぎぎいれますから!」

[メイン] 河和 シズコ : どんっ、と胸を叩いて、いっぱいいっぱいの顔で、唇をきゅっと噛む。

[メイン] 時野 竹美 : その言葉に、頭を抱えながら。目をぎゅっと閉じ。

[メイン] 時野 竹美 : 「もう、私………どうしたらいいのか、分からないんですっ………!!!」

[メイン] 時野 竹美 : 「ストレスを無くそうストレスを無くそうって、そう思っても
 ずっと思っても……不安な気持ちが、拭えなくて………!」

[メイン] 河和 シズコ : 「いっでくだざい!!!」

[メイン] 河和 シズコ : 「不安があっだら、消ざないで!!私にっ、いっでくだざい!!」

[メイン] 時野 竹美 : 「言うって、一体っ……何を………ですか…………!?!」
金切り声を上げ、立ち上がり、シズコを睨むように見つめる。
その目には、じんわりと熱い涙が、悔しそうに零れ。

[メイン] 時野 竹美 : 「私の中にあるストレスの無くし方を教えてくれるんですか……!?」

[メイン] 時野 竹美 : 「お医者さんに処方されたお薬でも無くせない……!
 私の中にある、この忌々しい感情を……無くせるんですか………!?!」

[メイン] 河和 シズコ : 「それはっ、できまぜんっ……!」

[メイン] 河和 シズコ : 立ち上がる彼女にも、じっと、涙目で見つめたまま。

[メイン] 河和 シズコ : 「だっで、私にも、ずっと、あるんでずからっ!!」

[メイン] 時野 竹美 : 「っ………何が、ですか………!?」

[メイン] 河和 シズコ : 「百夜堂が、わたじのいばじょがなくなること!!」

[メイン] 河和 シズコ : 「しんぜつにしてくれだおばあちゃんおじいちゃんが、いなぐなるごと!」

[メイン] 河和 シズコ : 「おぎゃくさんの笑顔が、見れないごど!!」

[メイン] 河和 シズコ : 「ぜんぶ、ずっど、生きてだらががえる不安なんでずっ!!」

[メイン] 時野 竹美 : 「っ…………!!」

[メイン] 河和 シズコ : ぎゅうう、と、自分の服の裾を持って締め付ける。

[メイン] 河和 シズコ : 「だから、解決は、でぎまぜん……わだじなんかじゃ、その不安を、げぜないけど……!」

[メイン] 河和 シズコ : 「でもっ、気持ちは、はなじあえます!!」

[メイン] 河和 シズコ : 「お互いの不安を、話し合えますっ!!」

[メイン] 時野 竹美 : 「は、話し合うって……で、でもっ、もう私の不安は……
 さっきので、全部です………!!
 あの人に恩返しがしたいのに、何もできなくて……
 あの人が欲しいって言った子どもも、できなくて………!!」

[メイン] 雪平一果 : 「シズコさんの言うとおりです」

[メイン] 雪平一果 : 「人間生きてたら誰だって大なり小なり悩みはあるんです」

[メイン] 雪平一果 : 私は獣やけど。

[メイン] 雪平一果 : 「あなたは私が強いって言うてくれましたけど、私だって捨てられたときのことを思い出すと、押しつぶされそうになります」

[メイン] 雪平一果 : 「だから、悩みを抱えていたってええと思います」

[メイン] 時野 竹美 : 「……………」

[メイン] 時野 竹美 : 崩れるように、頭を抱え、テーブルに伏す。

[メイン] 時野 竹美 : 呼吸が、どんどん荒くなっていく。

[メイン] 時野 竹美 : 「はぁっ……はぁっ……はぁっ………!!
 抱えていい悩みなんて、そんなのっ………!!」

[メイン] 河和 シズコ : 「……その不安を、もっと言ったって、いいじゃないですかっ」

[メイン] 河和 シズコ : 「もっと、もっど!今日でも明日でも、明後日でも、何日もっ!!」

[メイン] 河和 シズコ : 「解決ずるまで、解決じても、ずっと、私は、あなだのお傍にいまずっ!」

[メイン] 時野 竹美 : 「うぅ、うぅぅっ……!うぁああぁぁぁぁぁぁっ………!!!」
肩を震わせながら、号泣する。

[メイン] ペコリ犬 : 「私は大それたことは言えませんが…あなたの愛する人を信じてみたらどうでしょう。その人は、あなたと共に悩むことを疎む人ですか?」
その肩に手を置く

[メイン] 時野 竹美 : その問いに、顔をテーブルに伏しながらも、首を横に振る。

[メイン] 時野 竹美 : 「あの人はっ………優しい人、でず………」

[メイン] ペコリ犬 : 「なら話してみてください。きっと今よりもよくなるはずですよ」
涙を指で拭いながらそう言う

[メイン] 時野 竹美 : 「……………………………」

[メイン] 時野 竹美 : 大粒の涙を零しながらも、竹美は、無言となり。

[メイン] 時野 竹美 : 「…………私一人で伝えるのが、怖い、ですっ……」
手を震わせながら。

[メイン] ペコリ犬 : 「もちろん私たちも手伝いますよ☆ね!」
そういって二人を振り返る

[メイン] 河和 シズコ : 「もぢろんですっ!」
と、頷いて。

[メイン] 雪平一果 : ペコリーヌさんにうなずきます。

[メイン] 河和 シズコ : 「でずが、その前に一つ!」

[メイン] 雪平一果 : 色々言ってしまった手前、このままスゴスゴ帰るのもばつが悪いし。

[メイン] 河和 シズコ : 「ここの角を右辺り、その次の角を二つ目を左で曲がったところにある純喫茶!
 そこに、来てください!」

[メイン] 河和 シズコ : ぐしぐし、涙も鼻水も袖で拭う。
もう服は水分を吸って染みまみれで。

[メイン] 河和 シズコ : 「”百夜堂”!
 約束ですからね!!」

[メイン] 河和 シズコ : そのまま立ち上がり。

[メイン] 雪平一果 : シズコさんの様子を見て、ポケットからハンカチを取り出して手渡します。

[メイン] 時野 竹美 : 「………百夜堂……」

[メイン] 河和 シズコ : ずび、ありがとうございまず、と言って。
ハンカチで体液を拭き、脱兎のように駆けていく。

[メイン] 赤子 : 「ばぶ(なんとかなったっぽいな、良かった良かった)」

[メイン] 赤子 : 「……………」

[メイン] 赤子 : 「………ん?」
俺の里親の件は?????

[メイン] 赤子 :  

[メイン] 赤子 :  

[メイン] 赤子 :  

[メイン] ペコリ犬 : ついでに赤ちゃんの親探します☆

[メイン] 語り手 : おとな判定:難易度8

[メイン] ペコリ犬 : 夢を想い40に変えて消費☆

[メイン] system : [ ペコリ犬 ] 夢 : 325 → 285

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 : ペコリーヌは、この町を聞き込み調査し
謎の赤子の、肉親を捜してみたのだが─────。

[メイン] 語り手 :

[メイン] ペコリ犬 : ゾッ☆

[メイン] 語り手 : 白髪の赤子を山に捨てた人物は、誰一人としてこの町にはいなかった。

[メイン] ペコリ犬 : 「これは人間ではありませんね☆こちらも問題解決です☆」

[メイン] 赤子 : 「エッエッ」

[メイン] ペコリ犬 : 「さあもといた森に帰りましょうね~☆」

[メイン] 赤子 : 「(^^)!?」

[メイン] 赤子 : 「ど、どういうことだワンちゃんッッッ!?」

[メイン] ペコリ犬 : 「つまり!あなたはあの森で生まれた妖怪だったんですよ☆家は必要ありません☆」

[メイン] 赤子 : 「何ィィイイ~~~~~~~~~~~~ッッ!?!
 ……って、そんなことが信じられるかァーーーーッ!!!」

[メイン] 赤子 : 「俺は人間だぞぉ!?!?」

[メイン] ペコリ犬 : 「えいっ☆」
後頭部のたんこぶをつつく

[メイン] 赤子 : 「ぐあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

[メイン] 赤子 :  

[メイン] 子泣き爺 :  

[メイン] 子泣き爺 : 「………!!!」

[メイン] 子泣き爺 : 「思い……出した……!!」

[メイン] 子泣き爺 : 「そうだ、俺は酔っ払って……その時に転んで
 でっけぇ岩っころに頭ぶつけて……」

[メイン] 子泣き爺 : 「…………?」

[メイン] 子泣き爺 : 「なぁワンちゃん」

[メイン] 子泣き爺 : 「俺、この話に必要あった?」

[メイン] ペコリ犬 : 「私は振り回されましたね☆このこの☆」
たんこぶを執拗につつく

[メイン] 子泣き爺 : 「ぐがあああああああああああああああああああああ!?!?!?
 や、やめてくれ……!!頼む……!!!どうしてこんな………!!!」

[メイン] 子泣き爺 : おぎゃぁぁあああ~~~~~~~~~~~~~~っ!!!
という、大きな赤子の泣き声が、夕焼け色の空に木霊するのであった。

[メイン] 樫見 : 「まぁ、なんだ」

[メイン] 樫見 : 「そういうことって感じ」

[メイン] 樫見 : 「とっぴんぱらりんぷう」

[メイン] 樫見 : 手をひらりとさせ、調査内容をペコリーヌに伝えた樫見は
神社へと帰っていったとさ。

[メイン] 樫見 :  

[メイン] 樫見 :  

[メイン] 樫見 :  

[メイン]   : 場面『「疲れた時は百夜堂へようこそ!」』場所:とある喫茶店 時間:夕方

[メイン]   : あなたの住む町の、あそこを右に曲がって二つ目の角を左に曲がってごらん。
そこには”百夜堂”と書かれた茶屋喫茶が見えるでしょう。
そこはいたって普通の純喫茶、他の街にも一つ二つあるようなもの。

[メイン]   : 少し違うのは、そこが活気あふれているから。
夕方ごろ、まばらではあるものの人が何人か席を埋めていた。

[メイン]   : なぜ、そんなに人気があるかって?

[メイン]   : それは、一匹の看板猫がいるから。

[メイン]   :  

[メイン]   : その店の前に立てば、あなたは木造建ての一軒家を改造したような喫茶店が目に付くことだろう。

[メイン]   : 特に予約なども必要なく、足を踏み入れる勇気とお金さえあれば誰でも迎え入れてくれるようだ。

[メイン] 時野 竹美 : 「─────ここが、え、えっと……?百夜堂……?」

[メイン] 時野 竹美 : 喫茶店の入り口を開ける、一人の黒髪の女性。

[メイン]   : ちりんちりん、と鈴の音が鳴る。

[メイン]   : 出入り口に掛けられた鈴のようで、客の様子を呼びかける。
「お好きな席にどうぞ~」という、老人の間延びした声が聞こえる。

[メイン] 時野 竹美 : 「あ、は、はいっ……」
低腰姿勢のまま、喫茶店をきょろきょろと見渡す。

[メイン] 雪平一果 : 【夢】を30点消費して、【ふしぎ】を6点取得します。
そして【ふしぎ】を4点消費して人の姿に変わります。

[メイン] system : [ 雪平一果 ] 夢 : 250 → 220

[メイン] system : [ 雪平一果 ] ふしぎ : 2 → 4

[メイン] 雪平一果 : 竹美さんが準備をしている間に先に外に出て、変化し直して付き添いで一緒に来ました。

[メイン] ペコリ犬 : 夢を20点消費して人の姿を維持しますね☆

[メイン] system : [ ペコリ犬 ] 夢 : 285 → 265

[メイン] 雪平一果 : 「私は来るの初めてやけど、ここがシズコさんのお店なん?」
ペコリーヌさんに尋ねます。

[メイン] ペコリ犬 : 「そうですよ!とっても素敵で茶菓子がおいしいお店です☆」
なぜか自分が胸を張る

[メイン]   : 中はまばらに人がいるが、それでも数席は開いている。
丁度、出入り口の近くに窓際を見渡せるテーブル席が一つ余っていることだろう。

[メイン] 時野 竹美 : 「ふ、ふむふむ……?」

[メイン] 時野 竹美 : テーブル席を見やり、ここでいいのかしら……?と呟きながら
そちらへとゆっくり歩き。

[メイン]   : 中はお茶の匂いで満たされており、ここは和風の喫茶店であることがうかがえる。
ぺコリーヌの言ったような茶菓子が書かれたポスターも所々置かれている。

[メイン]   : そこに。

[メイン] : 「にゃお」

[メイン] : ぽん、と。
竹美のひざ元に、猫が一匹座り込む。

[メイン] 時野 竹美 : 「ひゃっ……!?ね、猫ちゃん……?」
びっくりしながらも、その猫を見て。

[メイン] 雪平一果 : 「あっシズ…」
そこまで言って言葉を止めます。

[メイン] 時野 竹美 : 「へ?」

[メイン] 雪平一果 : 「なんでもないです。かわいい猫ちゃんですね」

[メイン] ペコリ犬 : 「あらら☆なつかれちゃいましたね☆」

[メイン] 時野 竹美 : 「そ、そうですか……?……んん、そう、ですね……
 ……とても、可愛い猫です……」

[メイン] 時野 竹美 : 膝に座る一匹の猫を撫でながら。

[メイン]   : 注文を取りに来た老輩の女性が、「この子が懐くなんて珍しいこともあるもんだねえ」と、呟いていた。

[メイン] : 「んなぁ~お」

[メイン] : 気持ちがいいのか、ぐっと背筋を伸ばし。
猫なで声を挙げて、すりすりとその手に近寄る。

[メイン] 時野 竹美 : 「そ、そうなんですか……?それは、不思議ですね……
 ………ふふ、可愛いです」

[メイン] 時野 竹美 : 「……あ、その、すみません、ここに、シズコさんという方がいると
 お聞きしましたが……?」

[メイン] 時野 竹美 : 猫を撫でながら、店内をキョロキョロと見渡し。

[メイン] ペコリ犬 : 「多分調理に駆り出されたんじゃないでしょうか?心配せずともそのうち戻ってきますよ☆」

[メイン] 時野 竹美 : 「な、なるほど……調理ですか、まだ小さかったのに
 とても、すごいですね……」
感心したような顔になりながら。

[メイン] 雪平一果 : 「店に入って注文しないのも悪いし、何か頼みましょか」
「ペコリーヌさん、オススメはありますか?」

[メイン] : 「ごろごろごろ…」
目を細め、くすぐったげに尻尾をぴん、と伸ばして。
また、へにゃりと戻っていく。

[メイン] : 丸くなり、まるで我が物顔のように竹美の膝の上を占領している。
欠伸をしながら陣取る姿は王様のようだ。

[メイン] ペコリ犬 : 「お茶と茶菓子がおすすめですね☆ますよ~☆」
膝の上で丸くなる猫を横目で見ながら

[メイン] 雪平一果 : 「ほな、私はそれにします」
チラリと竹美さんの膝の上の猫を見ながら。

[メイン] 時野 竹美 : 「ふむふむ……それでは私も、その二つを頼んでみます……」

[メイン] 時野 竹美 : 膝の上で気ままにくつろぐ猫の姿を見て、笑みがこぼれる。

[メイン] ペコリ犬 : 「もちろん私も☆」
三度目であるし、ほかのも合わせると今日何度目のおやつだろうか

[メイン] 時野 竹美 : こうして、竹美の顔に、素直に笑みがこぼれたのは、久々であった。

[メイン]   : はぁい、承りましたぁ、と柔らかな口調と笑みを零し、店員らしき老人は去っていく。

[メイン] : 「………んにゃ」

[メイン] : ぐっと、竹美の顔を覗き込み。

[メイン] : 「……ふふ、初めて笑顔になってくれましたね」

[メイン] 時野 竹美 : 「…………………」

[メイン] 時野 竹美 : 「…………」

[メイン] 時野 竹美 : 「……へ?」

[メイン] 時野 竹美 : 目を大きく見開き、数度ぱちぱちと瞬き。

[メイン] : と、猫が言葉を喋る。
聞き間違うはずがない────河和 シズコの声で。

[メイン] 時野 竹美 : 目をぎゅっと閉じ、もう一度猫を見つめる。

[メイン] : 「わたしです、私!先ほどお話した、シズコですよ?」

[メイン] 時野 竹美 : 「へっ………!!?!?!?!?!?!」

[メイン] : あ、幻覚じゃありませんよ?こんな可愛い幻覚はありませんから!と付け加えつつ。

[メイン] 時野 竹美 : 思わず、声がひっくり返ってしまう竹美。

[メイン] 時野 竹美 : 「なっ……!?そ、そんな、猫ちゃんがお喋りを……
 え……!?シ、シズコさん……?……そ、そんなまるで、おとぎ話のような……」

[メイン] 雪平一果 : 「驚かんといてください」
竹美さんにだけ聞こえるように話す。

[メイン] 雪平一果 : 「''ヒミツ''やから」

[メイン] 時野 竹美 : 「え………!?い、一果さん……!?」

[メイン] : ひっくり返った声に、にやり、と人間のように笑いかける。

[メイン] : 「そうです、実は私たちは、人じゃなく────喋れる獣なんですよ
 ……この事は、ヒミツですけどね?」

[メイン] : にゃぁあん、と声を漏らしながら。

[メイン] 時野 竹美 : 口をぱくぱくさせながら。

[メイン] 時野 竹美 : 「……そ、それは、ペコリーヌさんも……?」

[メイン] 時野 竹美 : ちらりと、ペコリーヌの方へ視線をやる。
冷や汗が、たらりと。

[メイン] ペコリ犬 : 「えへへ☆」
笑って曖昧にごまかす

[メイン] 時野 竹美 : 「………そ、そんな秘密が…… ……そ、それって、人に話しても
 良いもの、なのですか……?」

[メイン] 時野 竹美 : 「た、例えば……!悪い人がいたら……!
 つ、つつ、捕まえられて……見世物にされちゃうことも……!」
あわあわとしながら。

[メイン] : 「まぁ、本当はダメですよね」

[メイン] 雪平一果 : 「ようないです。だからヒミツなんです」
「でも、竹美さんは悪い人やないでしょ?」

[メイン] : ひそひそ、周りの人に聞こえないように。
他の客はシズコになつかれていいなぁ、なんて竹美を見つめている。

[メイン] : こくり、頷いて。

[メイン] ペコリ犬 : 「人間になれる動物なんて信じてもらえなそうですけどね☆」

[メイン] 時野 竹美 : 「……そ、それは………
 ………私が、悪い人ではないかどうかは、分かりませんが……
 皆さんが、こうして身を切ってくれたことに対して……不義理は
 働けませんよ……」

[メイン] : 「それに……最初に不安を告白してくれたのは、あなたの方ですから
 それなら今度はこっちの番、ですよ」

[メイン] : にこっと、笑いかけて。

[メイン] 時野 竹美 : 「…………シズコさん……」

[メイン] 時野 竹美 : 気恥ずかしそうに、唇を結び。

[メイン] 時野 竹美 : 視線を窓の方へ逸らす。

[メイン] : それに、にへらっと、また笑いかけて。

[メイン]   : 茶菓子とお茶です、ゆっくりしてください~、という声と共に。
団子や氷菓子などが机に並べられ、運び主はすぐにいなくなる。

[メイン] 時野 竹美 : 並べられた料理を見て、また再び目を見開く。
美味しそうな料理で、まるで光っているようにも見えた。

[メイン] 時野 竹美 : 「す、すごい……とても、美味しそうです……!」

[メイン] 雪平一果 : 「ありがとうございます」
運ばれてきた茶菓子に手を伸ばします。

[メイン] 雪平一果 : パクリ、と一口食べて。

[メイン] 雪平一果 : 「うわあ、美味しい」
にんまりと微笑む。

[メイン] ペコリ犬 : 「あ、ちょっと頭にキーンって来ました☆」
そういって額を抑える

[メイン] 時野 竹美 : い、いただきます……!と、竹美も小さなフォークを使って
茶菓子を口に含み。

[メイン] 時野 竹美 : 「わぁ……!味も、美味しいです……!
 ……って、ペ、ペコリーヌさん、大丈夫ですか……!?
 ……と、というか、動物は、こういうのって食べても大丈夫、なのですか……?」

[メイン] 時野 竹美 : 後半は、小さな声で。

[メイン] 雪平一果 : 大丈夫?とペコリーヌさんの方に視線を向ける。

[メイン] : ひょこっと、机に手をかけてペコリーヌに目を向けて。

[メイン] 雪平一果 : 「私は普段は和菓子食べてますけど平気です」

[メイン] 時野 竹美 : 「な、なるほど……そういうもの、なのですね……?もぐもぐ……」

[メイン] ペコリ犬 : 「大丈夫ですよ☆あれ?心配してくれてるんですか?」

[メイン] 時野 竹美 : 美味しそうに表情を緩ませながら、手を進める。

[メイン] 時野 竹美 : 「………皆さんは、とても優しい方ですから……」

[メイン] 雪平一果 : 「この町の人は誰だってこんなもんですよ」

[メイン] 雪平一果 : 「人や獣、神様だってそうです」

[メイン] : こくり、と頷く。

[メイン] 時野 竹美 : 「……………」

[メイン] : 「えへへへ、お菓子がお気に召したようで何よりです
 美味しいって言って、よかったですっ」

[メイン] : くるり、と顔を竹美に向けて。

[メイン] 時野 竹美 : 「…………ふふ」
猫の頭を、優しく撫でながら。

[メイン] : 「私、ここの空間が好きなんです
 落ち着いていて、ゆっくりとしていて……んにゃ、はぅううっ……」

[メイン] : 笑っていた顔が、ぞくっと走った気持ちよさに、口をもにょもにょと。

[メイン] 時野 竹美 : 「………そうですね、とっても、ゆったりとしてます
 あまり、外でくつろぐというようなことは、ここに引っ越してきてから
 一度もしてきませんでしたから……」

[メイン] 時野 竹美 : 「……これが、この町なんですね」

[メイン] 雪平一果 : はい。とうなずき、笑顔を見せます。

[メイン] : こくり、と頷く。

[メイン] : 「ここに来た人は、例えだれでも”許容”してくれる……
 それが、この町なんですよ」

[メイン] 時野 竹美 : それぞれの反応を見やり、竹美の緊張は解れていく。
氷のように張りつめていた心が、暖かく。

[メイン] : 受け売りですけど、と、丸眼鏡の人を思い出しながら。

[メイン] 時野 竹美 : 「誰でも……」

[メイン] 時野 竹美 : 「……あの、一つだけ」

[メイン] 時野 竹美 : それぞれの顔を見て。

[メイン] 時野 竹美 : 「……どうして皆さんは、そこまで……優しいのですか……?
 誰かにそう言われたからそうしている、とかでしょうか……?」

[メイン] : くるり、と店の中を見渡す。

[メイン] : そして、すとん、と竹美の膝の元で丸くなり。

[メイン] : 「さっき、私はここが好きだって言いました……
 でも、私自身、獣であることを拾ってくれたここの方に言ってません」

[メイン] : きっと悪いようにはされないだろう、だが────。

[メイン] : 「……ちょっぴり怖いんです、話したことで自分の居場所が崩れる事が」

[メイン] : そこまで言い切って、白毛の猫は、黒い瞳を竹美に向ける。

[メイン] : 「なんだか、これって……竹美さんと似てますよね」

[メイン] 時野 竹美 : 「………………っ!!」

[メイン] 時野 竹美 : それは……と言いかけ、口を閉じる。

[メイン] : こく、と頷いて。

[メイン] : 「だから……私は人事じゃないな、って思ったんです
 それに、なにより……」

[メイン] : 「この店の看板猫ですから!
 お客さんが”笑顔”になることが、一番の幸せです!」

[メイン] : にこっと、笑顔を向けて。

[メイン] 時野 竹美 : 「─────!」

[メイン] 時野 竹美 : …………そ、っか……私は、一人だって、思っていた。

[メイン] 時野 竹美 : でも、そんな私とでも、一緒に悩んでくれる子達がいる。
同じような悩み、辛さ、不安を抱えている子達もいる。

[メイン] 時野 竹美 : ……私は、視野が狭くなっていたんだなぁ……。

[メイン] 時野 竹美 : 「………それなら」

[メイン] 時野 竹美 : 竹美の顔に、笑顔が。

[メイン] 時野 竹美 : 「私も、みんなのこと─────受け入れて
 みんなのことを幸せにしなくちゃ……よね……?」

[メイン] 雪平一果 : 「おまんじゅうみたいですね」

[メイン] 雪平一果 : 「不安も、美味しいって気持ちも、安堵感も、全部丸め込んで」

[メイン] 雪平一果 : 「それでええと思いますよ」

[メイン] : ……えへへ、また笑ってくれた。

[メイン] 時野 竹美 : 「……ふふ、面白い例えです」

[メイン] ペコリ犬 : 「私はみんながくれた笑顔を他の人におすそ分けしてる感じですね☆だってほら…」
店内を見渡して

[メイン] ペコリ犬 : 「大勢で楽しい雰囲気で食べたほうが食事は美味しいじゃないですか☆」

[メイン] : 「さすがっ、緑松の看板娘だけありますねっ」
と、声を上げつつ。

[メイン] 時野 竹美 : ペコリーヌに言われたように、日常をゆったりと楽しむ客を見て。

[メイン] 時野 竹美 : 「………そうですね」

[メイン] 時野 竹美 : 「楽しい方が、とっても……美味しいです」

[メイン] 時野 竹美 : アイスを乗せたスプーンを、口に運ぶ。

[メイン] 雪平一果 : 私のことはしーって言いそうになったけど、竹美さんの様子を見てまあええか。とお茶をひと口。

[メイン] 時野 竹美 : それぞれの想いを聞き届け、目をゆっくりと閉じ。

[メイン] 時野 竹美 : 「……………」

[メイン] 時野 竹美 : 「……決めました」
そして、目を開く。

[メイン] 時野 竹美 : 「私……あの人と相談します、ちゃんと……正直に
 ……皆さんが背中を押してくださるなら私は
 頑張れそうな気がするので」

[メイン] 時野 竹美 : そうしてテーブルに代金を置き、ゆっくりと立ち上がる。

[メイン] : そんな様子に、こくん、とうなづいて。

[メイン] : 「行ってらっしゃいませ、応援してますよっ!
 また何かあれば、何かなくても百夜堂をご贔屓に!」

[メイン] : 片手で、ふりふりと送り。

[メイン] 雪平一果 : 「竹美さん、私、色々失礼なこというてしまったかもしれへんけど、頑張ってください!」

[メイン] 雪平一果 : 竹美さんの背中にそう語りかけます。

[メイン] ペコリ犬 : 「頑張ってください☆なんていう必要はありませんね!きっとうまくいきますよ!」

[メイン] 時野 竹美 : 少し振り返り、3人へぺこりと会釈をし、微笑む。

[メイン] 時野 竹美 : ちりんちりん、という鈴の音と共に
ゆうやけこやけの空に、黒髪の女性は、勇気の一歩を踏み出した。

[メイン] 時野 竹美 :  

[メイン] 時野 竹美 :  

[メイン] 時野 竹美 :  

[メイン] 樫見 : さて、この話はどうなったか?

[メイン] 樫見 : さぁねぇ、人の道は、人が決めることさ

[メイン] 樫見 : わしら変化にできることは、悩める人の背を
ほんの少しだけ押してあげることだけ

[メイン] 樫見 : ただ─────救われた心があることは、確かだね

[メイン] 樫見 : ……おや、紡がれた想いは、実を結んだんじゃないかい?

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 : 遠くない未来。

[メイン] 語り手 : 時野家には、娘が生まれたとさ。

[メイン] 語り手 : それをあなた達が知る日はあるのか、それは定かではないが。

[メイン] 語り手 : ゆうやけこやけの空は今日も、あなた達を優しく包み込む。

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 :  

[メイン] 語り手 :